「設計採用事例マーケティング」戦略(3)期待される成果【ネクストライク216号】

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今号は、「設計採用事例マーケティング戦略」を考える6回シリーズの3回目になります。以下は予定になります。(変更になる場合がございます)
1号 「設計採用事例マーケティング」の重要性
2号 「設計採用事例マーケティング」の概要と目的
3号 「設計採用事例マーケティング」施策で期待される成果(今号です)
4号 「設計採用事例」作成方法のポイント
5号 「設計採用事例」の種類と配信方法、成果を出すための留意点
6号 ネクストが「設計採用事例マーケティング」に強い理由
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1.「設計採用事例マーケティング」が一層、重要視されている背景。
「設計採用事例」は、目に見えないサービスや価値をお客様の生の声によって見える化したコンテンツです。
商品の多くは、スペック・価格・納期などでの差別化が難しく、実際の商品や施工の品質は現場で決まる要素もあるため、設計者には技術力の差が伝わりにくく、事前に詳細な商品説明がなければ、設計事務所から見ると「どこも同じ」に見えてしまいます。

「設計採用事例」は、「製品/サービス情報」「価格/料金表」と並ぶ三大コンテンツのひとつ。単なる実績紹介ではなく、商談の意思決定を動かす効果があります。

「設計採用事例マーケティング」は、単なる設計採用事例を作るのではなく、「設計採用を増やす仕組み」。設計採用事例制作は手段であり、目的は設計指定率向上、設計採用率向上、スペックイン率向上にあります。
次に「設計採用事例マーケティング」が一層、重要視されている背景について考えます。

1)BtoB業界は、一般消費材であるBtoBtoC業界とは違う
・意思決定の関与者が多い(法人・設計事務所・ゼネコン・施主)
・意思決定者が複数(設計者・施工者・購買部門)
・検討期間が長い(半年〜数年)
・スペックインが非価格競争からの脱皮になる(川下になるほど価格競争になる)
・「価格」よりも「信頼・実績・安全性」が重要
BtoB業界の商品は、広告で“今すぐ売る”のではないため、“選ばれる状態を作る”のがマーケティングの核になり、“選ばれる理由を設計者の頭に入れる”ことが不可欠になります。

2)AI検索時代の対策になる
ユーザーは、SEOの煩わしさから脱皮して、個々の細かなニーズに対応した回答がAIでは簡単にWebで獲得できるようになり、一層、パーソナルライズされた最適かつ、専門的なコンテンツを求める傾向が強くなっています。
●「設計採用事例」は次の理由のため、従来のキーワード検索以上に重要な評価を得るコンテンツになります。
●「設計採用事例」は「課題」「選定理由」「導入プロセス」「効果」「企業プロフィール」のように、章立てされAIが認識しやすい構造のため、各章がそのまま引用されやすくなります。
●Googleが提唱するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の中で、生成AIが特に重視するのが第三者(顧客)の言葉が含まれる「経験」です。第三者の言葉は、AIにとって最も信頼性の高い情報にも位置付けられます。
●「設計採用事例」は、事例企業名や設計事例名などの固有名詞・数値で構成されるコンテンツ。数値・データ重視のAI検索エンジンが好む情報構造になっていいます。

①「案件を生むコンテンツ」が最優先になる
「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」といった顧客ニーズの中で、「設計採用事例」は「比較・検討」「購入」の段階で効果を発揮しますので、コンテンツマーケティングの中でも制作優先度が高いコンテンツであると言えます。

AI検索では、「認知」「興味・関心」を目的とした「集客コンテンツ」ではなく、採用の意思決定に入り込む「案件を生むコンテンツ」が中心になります。「案件を生むコンテンツ」とは、読むコンテンツ”ではなく、「顧客の社内説明用にそのまま使えるコンテンツ」であり、社内稟議資料としての重要な「設計採用事例」が「見込み客」の成約化を促進します。

また、BtoBの購買は複数部署間の合議で進むため、「自社と似た状況の事例」があることで、それぞれの担当者が社内で稟議を通すときにスムーズに社内検討される可能性が高いと言えます。

②設計採用事例が、引用の決め手になる
「設計採用事例」は単なる「事例紹介の概要」ではなく、「意思決定プロセスまでの開示」、つまり、なぜその課題が生まれたか、他案と比較してなぜ選んだか、社内検討の経緯、導入後の数値変化などの採用検討ストーリ―が凝縮された、顧客にとって価値あるコンテンツになっています。
③「動画 × 専門性」コンテンツが重要
今後は、テキストだけでは厳しく競合他社間で確実に埋もれるため、技術・設計・施工プロセスを動画化することが重要になります。
④「コミュニティ型コンテンツ」が求められる
顧客・見込み顧客同士が情報交換する場、たとえば、クローズドセミナー、会員制サイト、業界別研究コミュニティなどが重要になります。
⑤顧客データの活用
どの資料を見たか、どのテーマに関心があるかなどのWebサイト分析やメルマガ/MAのコンテンツ閲覧データ、検討フェーズのどの段階か、などといったマーケティング見込み客情報を営業部門と共有することで、成約の効率化を図ります。

2.「設計採用事例マーケティング」で期待される成果
「コンセプト設計、基本設計、実施設計、スペック確定」という一連の採用プロセスの中で、多くの競合他社が行っているような最後段階である「スペック確定」時点で売り込むのではなく、他社に先んじて最初の「コンセプト設計、基本設計」の段階から、候補に入り選ばれることが今後、極めて必要になります。
<設計プロセス別のコンテンツ例>
◇コンセプト設計段階・・・設計採用事例・空間提案・トレンド
◇基本設計段階・・・・・・性能・仕様・比較
◇実施設計段階・・・・・・CAD/BIM・納まり
◇稟議・施主説明段階・・・コスト・メリット

「設計採用事例マーケティング」で期待される成果は以下になります。

1)競合との差別化につながる。
「設計採用事例」を質量ともに充実させ継続的に発信している企業は決して多くありません。「設計採用事例や納入実績を積極的に公開している企業」という印象は、競合との差別化に直結します。特に、最終的に選定する設計者・ゼネコン、コンサルタントは、類似案件を探して実績がある企業を優先するため、指名検索・比較検討で勝つ確率が高くなります。「設計採用事例」があると、価格ではなく実績で選ばれるため、値引き圧力が減ることも期待できます。
2)「設計採用事例」はキラーコンテンツ。スペックインとお問合せの増加につながる。
「設計採用事例」は、同じ課題を抱えている、設計者の興味関心や共感を生み、スペックインやお問い合わせにつながます、検討タイミングで刺さりやすいコンテンツと言えます。
3)営業担当者のデジタル化を推進し、効率化することができる。
メルマガ/MAを配信した場合、「設計採用事例」の開封率やクリック率が高く、その分析データの見込み客に対して営業フォロー活動を行うなど営業のデジタル化推進への対応を行うことで、効率的な商談活動の拡大が可能になります。
4)顧客接点の強化、拡大になる。
自社の商品提案活動の取り組みや技術力を定期的に伝えることで、設計ルートとの関係性の維持や信頼性の獲得に有効になります。また、「設計採用事例」は、営業の属人性に頼らず、誰でもが商品説明や提案できる利便性が高く、効率的な提案活動を行うことができます。
5)Webサイトへの流入増加が期待できる。
「設計採用事例」ページを構築し定期的に運営と更新することで、メルマガからの流入が増加したり、Webサイトのアクセスや滞在時間の増大、資料請求・お問合せページへの送客、最終的なゴールである、スペックイン、拡販などの効果が期待できます。

3.「設計採用事例マーケティング」施策の概要

<オンライン施策>
1)総合設計支援プラットフォーム
当該市場(分野や施設別)や業界動向、ユーザートレンド、補助金などの国策など情報のほか、実際の設計実務に直接組み込まれる、断面・施工図(納まり図)、CADデータ・BIMデータ、図面、仕様書、設計/施工動画、Q&Aを統合し検索できるようにすることで、図面に直接組み込める手間を設計段階で減らすことで採用ハードルを下げることができます。
2)「設計採用事例」特化サイト
当該市場(分野や施設)別、課題別、商品別、エリア別などの「設計採用事例」を蓄積することによって、設計者にとっての「設計条件に合う実績」をすぐ検索することができます。
一方、企業側としては、採用された「勝因」(意匠性や施工性、耐久性などの自社の強み)が明確化されることによって、次の商品開発にも役立てられます。
3)メールマガジン・MA
メルマガなどで、定期的に「設計採用事例」や提案プラン、施工ガイド・技術情報などを配信し「設計に役立つ情報」を届けることで強い信頼構築ができます。
4)設計採用事例のアーカイブ動画
設計者や施工会社、建築主にインタビューした「設計採用事例」は貴重な武器になります。YouTubeだけではなく会員限定サイト用のアーカイブ動画することができます。
5)SNS活用
LinkedInや建築系フォーラムで施工事例を共有、設計者同士の話題に入り込むことで自然に認知拡大できます。
6)課題解決型セミナー・ウェビナー
顧客が持つ課題は一様ではなく、個別特有の悩みや解決策を求めています。個別テーマごとのセミナーやウェビナーで課題や解決方法を共有します。
7)設計者コミュニティ
「設計採用事例」を配信するだけでなく、定期的に、設計者が集まる場を持つ会社は強い。
オンライン・・・月例勉強会、設計施工研究会、設計者限定セミナー、新製品の先行共有
オフライン・・・有名講師講演会、技術相談フォーラム、建築・竣工見学会

<オフラインコンテンツ>
 1)設計採用理由分析レポート
採用事例取材時に設計者へ深掘り取材する。
例えば、採用理由・意匠性・性能・コスト・納期・BIM対応など。
レポートの結果、自社が勝つ理由が見え、さらに、不採用理由も調査することで新商品開発の情報になる。
2)設計・施工者向け動画シリーズ
内容は、テキストでは伝わらない商品や設計、施工、メンテナンスなどの理解促進。
・他社差別ポイント
・設計や納まり解説
・施工プロセス
・不具合事例と対策
3)納まり・ディテールの解説コンテンツ
設計者が一番困る部分を潰すことのほか、他社差別ポイント、失敗例などを図解+動画+PDFで解説する。
4)比較・選定支援コンテンツ
他社製品との差別化ポイントを明確化し、設計者が事業主・施主に説明する際に役立てる。他工法・他製品との性能・コスト・施工性比較や仕様選定チャートなど、設計者の“選ぶ作業”を代替する。
5)設計ガイド・施工ガイドの提供
「採用後のリスク」を減らすことで安心してスペックインされやすくする。設計者向けに「最適な使い方」「施工条件」「設計上の注意点」を体系化することで、設計段階での検討時間もスピードあされる。
6)法規・規格ナレッジコンテンツ
内容は、建築基準法・消防法対応などの最新情報まとめ。
・ZEB
・省エネ基準解説
・最新規制の変更点
7)設計採用事例アワード(設計事例コンテスト)
当該市場(分野や施設)別、課題(テーマ)別、商品別、エリア別などの年間優秀「設計採用事例」を発表。設計事例の質と数量を競っていただく。アワードは各設計事務所のブランドになります。
8)設計採用経営会議(社内)
定期的に、設計採用率・指定率・失注理由・設計者評価などを行い。設計チャネルの充実と一層の強化を図る。

 

 

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