「○○はオウンドメディアとして成り立つのか?」という視点で、今回取り上げていくのは「産業用のモーターや制御機器」です。
BtoBの中でもさらなるニッチ層への訴求はどうすればいいのか?
「産業用のモーターや制御機器」ですが、前回、ライフラインシステムの際でも取り上げたように、BtoBの中でも、ごく一般的な民間企業が取り入れるものでもないため、ターゲット自体がかなり絞られてしまいます。
こういう状況下の中で、「オウンドメディアを立上げ、読み手のためになるようなコンテンツを」と意気込んだとしても、費用対効果を考えたら、続けられる施策とは言いにくいです。
視点を変え、営業支援という切り口にしてみる。
BtoBの中でもさらなるニッチ層、つまり、読み手も少なく、情報も読み物として楽しく読めるようなコンテンツにならない分野の場合は、前回の記事でもお伝えしたように、営業支援という切り口に視点を変えてみましょう。
支援するというのは、カタログのような情報ではなく、その記事がそのままが営業トークやプレゼントして使えるということです。公にできる営業コンテンツは一般公開し、一部の人にだけということであれば、会員限定公開にすることもできます。
よくある質問に対しての回答がコンテンツになる。
Q&Aページを発展させて、コンテンツにしていく方法もあります。シンプルな返答のQ&Aにするのではなく、ノウハウを盛り込み、記事を厚くすることで、コンテンツにしていくということです。
BtoBでニッチな業界だと、接点や販売機会が少ないため、Q&Aを発展させる方法は、取り組みやすいと思われます。ただし、サポート機関がしっかりしていないと、コンテンツが続かない可能性は考えられます。
このケースで、制御機器に関して、お客様からあった質問を元にコンテンツを作成しているのが、パナソニック株式会社です。
この場合は、既存顧客との定期的な情報交換が軸になっていますので、新規客を集めるということよりも、サポート力の向上や顧客満足度の向上が目的と考えられます。
エンジニア好みの技術情報&ノウハウを提供。
機器類などの性能が絡む分野だと、その玄人技術を好むエンジニア層がいます。
その辺を上手く突いているのが、半導体・電子部品メーカーのローム株式会社です。
エンジニア向けに、電源・IoT機器の設計に関する技術情報を、教科書のような感じで、親切に解説しています。
「ものづくり愛」というエンタメを提供
半導体・電子部品メーカーのローム株式会社では、上記の技術寄りなサイトとは別に、エンタメサイトも運営されています。
ものづくりを愛するエンジニアやエンジニアを目指す方々に、「エンジニアライフ、デバイスと関わる生活を、より楽しくすること」というコンセプトで提供していますので、製品売り上げや問い合わせが目的ではなく、働き方やロボコンなどのイベントレポートなど、読み物としても楽しめる多数のコンテンツが用意されています。
今すぐ客に売り込むためではなく、コーポレートサイトへの流入やブランディングを目的としたサイトと考えられます。