「○○はオウンドメディアとして成り立つのか?」という視点で、今回取り上げていくのは「住宅商社」です。
住宅商社そのものがコンテンツになるというより、住宅商社がオウンドメディアを立ち上げるなら、どんな方向性があるか?ということです。
「建材」「取引先の企業(住宅会社や工務店)」というコンテンツワード
住宅商社が行っている主な事業は、住宅建材・住宅設備機器の総合建材の供給ですから、「建材」「取引先の企業(住宅会社や工務店)」というコンテンツワードが挙げられます。
なので、方向性としては、以前取り上げた、住宅ネットワークや住宅建材に近いです。
建材を中心とするなら、カタログか?施工事例か?
建材を中心にしたメディアにしていくなら、
- 建材の機能・性能を深く伝える、カタログ系
- その建材を使うことで得られる空間や時間を伝える、ライフスタイル系
に絞り込まれるでしょう。
大きく分けるなら、1のカタログ系は、一般の方だと、建材の機能・性能という小難しい内容は、よほど建材通な方でない限り興味を持たないでしょうから、業者向けです。下記のサイトのように、建材の機能・性能を深く掘り下げ、伝えていくメディアです。
2のライフスタイル系は、ここ数年で増えてきた一般の方をターゲットにした切り口です。建材単品を伝えるのではなく、出来上がる空間やそこで過ごす時間を伝え、興味をひく方法です。施工事例のギャラリーになります。
ただ建材は、類似品や同等品が多い分野で、独自の建材を持っているところはほとんどありませんので、先にやったもの勝ちなところがあります。
取引先(住宅会社や工務店)の企業を中心とするなら、ノウハウか?信頼の担保か?
取引先の企業を中心としたメディアなら、
- 住宅事業を成功させるためのノウハウ
- 自社の信用度を活かした信用移転
などが挙げられます。
1のノウハウは、住宅会社や工務店が住宅事業を成功させるために必要なノウハウです。
なので、
- 集客のこと
- お金のこと
- 人材のこと
- ツールのこと
- 営業のこと
- 設計のこと
- 施工のこと
などが求められます。
ただ、施工棟数など会社の規模によっても、ノウハウのレベルは変わってきます。1人経営で年間5棟のところと、営業マンを抱えた年間40棟の会社では、必要なノウハウも異なってきます。さらに、家づくりの方向性によっても、ノウハウのレベルは変わってきます。設計デザインを重視している会社と、大工の技術を重視している会社では、必要なノウハウも異なってきます。
大事なのは、幅広いノウハウを揃えるよりも、自社がターゲットにしている企業に合うノウハウに絞り込むことです。建材を売って終わりという付き合いではなく、その商社と付き合うことで事業が成功するというポジションを築くことが求められます。
2の「自社の信用度を活かした信用移転」は、簡単に言うと「紹介」です。
企業間取引の信用度を見えるようにすること。つまり、自社の社会的信用を活かし、「この住宅会社や工務店は信用できる」ということを発信していくということです。
大きな金額が動く企業間での取引の場合、販売者側は与信によって判断しますが、一般の方は、帝国データバンクなどの与信サービスを使って、施工会社を検討することはしません。一般の方が、その会社を判断する上での客観的な材料は、ネットによる匿名のクチコミぐらいしかないのです。
メディアの形としては、ポータルサイトをベースにした紹介記事などになるでしょう。