「○○はオウンドメディアとして成り立つのか?」という視点で、今回取り上げていくのは「浴室・洗面」です。
通常であれば、トイレも含めて、「水回り」として一括りにしますが、家族で住む日本の住宅の場合、浴室と洗面室が隣接しており、トイレは別という間取りも多いため、ここでは「浴室と洗面」を掘り下げて考えてみます。
結論としては、成り立ちますが、成り立たせるためにはいくつかのポイントがありますので、それらを挙げていきます。
商品が中心になるとかなり厳しい・・・
浴室と洗面室を構成している商品、つまり、設備や建材を中心にコンテンツをつくり始めると、カタログの様になってしまい、継続していくことが苦しくなります。機能や性能を伝える媒体は、カタログなどで行えばいいことなので、オウンドメディアにして作り込む必要はありません。
オウンドメディアにしていくなら、一般向けコンテンツが良い
施工する工務店や住宅会社向けにコンテンツをつくっても、大抵は、単価が安いものとか、利回りが良いものとか、クレームにならないものなど、自社都合で商品選択をしてしまうため、メディアの費用対効果は悪くなると予測されます。
長い目での販路拡大を考えたら、一般の方向けに情報を発信し、水回りへの意識を高めていくほうが、望ましいと考えます。
一般向けでも商品が中心になると、マニュアルで終わってしまう
商品が中心となった一般向けの情報となると、「失敗しない◯◯リフォームマニュアル」などの、マニュアルコンテンツになりがちです。
- リフォームの種類の特徴
- リフォームの費用相場
- リフォームをする前に知っておくべきこと
- リフォームで失敗しないためのポイント
こういったノウハウももちろん大事ですが、一度伝えたら終わりになってしまうため、オウンドメディアとしてやっていくには成り立たないのです。
浴室や洗面室に求める目的は何?
浴室や洗面室のコンテンツを考えた時、入浴術とか掃除の仕方とか、浴室や洗面室のソフトな部分もありますが、ここでは極力商品に歩み寄って考えていきたいと思います。
浴室に求める目的は何?
これから家を建てるであろう施主や、リフォームを考えているであろう住み手の方が、浴室や洗面室に何を求めているか?によって、作り込んでいくコンテンツも変わってきます。
- 安さが最重要なのか?
- 最新やハイスペックなことが最重要なのか?
- 浴室でやりたいことが最重要なのか?
例えば、、、、
上記の写真の様に、「浴室と外をつなげて開放感を感じてお風呂に入りたい」という目的があるなら、その目的に応じた、
- メリット、デメリット
- 浴槽の選び方
- 壁や床材の選び方
- 掃除の仕方
- 間取り
など、色々な情報を取り上げることができます。
自由度の高い洗面室は、デザイン+αが鍵
洗面室も同じ様に、
- 安さが最重要なのか?
- 最新やハイスペックなことが最重要なのか?
- 洗面室でやりたいことが最重要なのか?
という視点が求められてきます。
洗面室は、ユニットバスがある浴室に比べ、設計の自由度が高いため、設計力が求められることは否めません。なので、その分、イメージ先行になりやすいかもしれません。
ただ、デザイン性に加え、
- 収納の設け方
- 洗濯機の場所
- 洗面台の大きさ
など、機能性や実用性も求められる場所です。
その辺りの作り方・選び方のノウハウは、十分にコンテンツになる部分です。
コミュニケーションもコンテンツの素材になる!
ここ数年、ノーリツが浴室でのコミュニケーションをデータとして公開しています。子どもをもつ親に向けて、「入浴を通じた教育的な効果」を狙い、「浴育」にスポットを当てているのです。
これまで、お風呂は、「水回り」で片づけられたり、ユニットバスにするか、造作でつくるか、というぐらいに終わってしまいがちでした。
ですが、子供が小さいときは、親子で一緒に入る状況を考えると、浴室内でのコミュニケーションを上手くつくるノウハウは、十分にコンテンツとして成り立つのではないでしょうか。