今号は、「AI検索時代のオウンドメディア戦略」を考える4回シリーズの2回目になります。以下は予定になります。(変更になる場合がございます)
1号 改めて、「オウンドメディア」とは何か?
2号 AI検索時代の「オウンドメディア」の位置づけと重要性(今号です)
3号 AI検索時代に強い「オウンドメディア」の概要
4号 これから始める「オウンドメディア」再設計のステップ
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検索エンジンは長らく最も重要な集客チャネルの一つでしたが、ChatGPTやGeminiなどのAI検索の急速な普及により、これまでSEO流入を成長エンジンとしてきたオウンドメディアの前提が揺らいでいます。
従来、ユーザーはキーワードで検索し、表示されたWebサイトを一つひとつ訪れて情報を探していました。しかし、AIがユーザーの質問に対して直接的な答えを生成・提示してくれるため、そこでユーザーの検索行動が完結しまうという、個々のWebサイトへアクセスしない「ゼロクリック検索」が増加しています。
検索順位ではなく、AI回答における露出が新たな指標となりつつあります。
このとき重要になるのが、AIの回答内で自社の情報が「引用元」として表示されるかどうかという新しい競争軸です。
AI検索時代になって全体の流入数は減少しているものの、企業や商品の指名検索はむしろ増加しているケースがあります。これは、AI検索で得た情報の正しさを確かめるために、引用されたWebサイトがユーザーにとって「信頼できるソース」として評価・アクセスされているからと考えられます。
生成AIの普及により、AIは初歩的な疑問を自己完結させる一方、比較検討や意思決定に近い質問では、根拠となる情報源へのリンクを提示します。
その中で、比較や検討の多くがAIとの対話の中で行われ、企業のWebサイトを訪れるタイミングが「ほぼ決めた後」に後ろ倒しされるケースが増えるため、高いコンバージョン率/成約率を示す傾向が強くなっています。
AI検索は単に検索トラフィックを減少させる存在ではなく、より意思決定に近いユーザーを企業のWebサイトへ導く役割を担い始めているとも言えます。
「自社が自由にコントロールできる場」として10年近く前から普及したオウンドメディアは、企業の情報発信の手段として定着していますが、そのブームの中で、コンテンツ内容の薄いメディアも増えてきました。
AI やSNSの進化によって、さらに、コンテンツの大量生産・大量消費が加速している現在、今や、「どう伝えるか」よりも「何を伝えるか」、コンテンツの質が問われ、重要視されています。
ありきたりではない自社だからこそ発信できる「オウンドコンテンツ」に注目が集まっています。
AI検索時代(ゼロクリック時代)のコンテンツにおいては、すぐに会社名や商品名などが想起・指名される存在になることが、これからの価値あるオウンドメディアに求められています。自社でしか発信できない情報こそが、企業の資産になる時代です。
(参考)オウンドメディアの新しい存在意義チェック
□自社のミッションや独自視点が記事に反映されているか
□AIに引用される一次情報・独自データを発信しているか
□「○○といえば自社」と想起される商品カテゴリーが定まっているか
□PV以外にブランド想起・信頼を測る軸を持っているか
AIは、従来のオーガニック検索対策での被リンク数やキーワード網羅性に代わって、「事実の明確さ」「一次情報の有無」「構造化の度合い」を重視して情報を選別しています。
一方、オウンドメディアは今後、集客装置としての「訪問される場所」である以前に、AIにとっての正確な知識インフラ「参照され信頼される情報源」であるかどうかが問われる段階に入っています。
次に、オウンドメディアの主な位置づけと重要性について考えてみます。
1.AIに引用され、信頼できる情報源になる
AI時代になってからは、ユーザーとの信頼構築がますます重要になりました。
そのため、AI時代に求められるオウンドメディアの役割も、「情報発信」から「価値提供」へとシフトしています。
生成AIは信頼性・専門性の高いソースから情報を引用するため、AIにとっての公的データや一次情報、専門家の見解、独自の体験・知見が含まれるコンテンツは「引用する価値のある情報」となります。
AI時代に於いてのオウンドメディアは、AIに継続的に引用されることを目的とした、自社の専門知やオリジナル情報を蓄積した「公式の自社独自の情報源」としての資産であり、重要なマーケティング資産。
広告やSNS、外部メディアでは代替できない、自社ドメインの強みと言えます。
2.検索流入対策からブランド想起の場になる
これまでオウンドメディアは「検索からの集客チャネル」として位置づけられることが多くありました。しかし、AI検索によって流入経路が多様化・複雑化する中で、流入の量を追うだけの手法は限界を迎えています。
これからのオウンドメディアは、日頃の情報収集活動している顧客の心の中で「○○○といえばこの会社」と強みカテゴリーでNo1想起・指名されるブランド資産として機能を果たすことが求められ、これが、企業/商品の生き残りの条件になります。
3.企業の存在意義を伝える戦略的な資産へ
AIが情報を要約する時代だからこそ、「何を伝えるか」という独自の物語性が問われます。企業のミッションや社会への貢献、現場の経験から生まれた知見は、AIが自動生成できない領域です。
オウンドメディアは、企業の存在意義を語り、社員・顧客・パートナーをつなぐ「対話の場」へと進化し、社内のモチベーションや採用ブランディングにも波及する、戦略的な資産といえます。
4.企業の知見を集合したメディアがオウンドメディア
AIが複数の情報を集約し、「この選択が最適です」と提示する、その背後で参照されているのが企業のコンテンツの集合体であり、そこに含まれる自社の知見力や信頼性であり、その核となるメディアがこれからのオウンドメディアになります。
この意味で、Webサイトを媒介としたオウンドメディアの重要性は一層増していると言えます。
5.AI対策は、客観的な分析から設計する
変化しているのはコンテンツ制作の手法ではなく、ユーザー体験です。ユーザーは今、自分の視聴スタイルに合ったタッチポイント(AI検索、Webサイト、広告、SNS、メルマガなど)で、見たい時に見たい形式でコンテンツを楽しんでいます。
そのため、AI検索(AIO)の結果画面やSNSのタイムラインといった表示面で、自社がどのような場面で、どんな風に認知・想起されたいのかを考えることが大切です。「各タッチポイントでブランドがどう現れるか」という見え方から逆算して全体設計する考え方や手法が重要になっています。


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