AI対策マーケティング戦略(2)AI検索増加による、ユーザーの傾向と取り組むべき対策

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今号は、「AI対策マーケティング戦略」を考える5回シリーズの2回目になります。以下は予定になります。(変更になる場合がございます)
1号 SEOの重要性とAI検索化によるビジネスチャンス
2号 Ai検索増加による、ユーザーの傾向と取り組むべき対策(今号です)
3号 AI検索に好まれるコンテンツ作成のポイント
4号 AIに引用参照されるために、コンテンツ作成で重要な内容
5号 AI検索対策で重要な、Webサイト作成の方法
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1.AI検索の普及により起こる変化
ChatGPTをはじめとした生成AIは広く一般に浸透し情報収集手段として定着するに従って、検索エンジンはユーザー数およびクリック率(CTR)が低下しており、従来のような圧倒的な送客力は失われつつあります。
AI検索の普及により起こる主な変化を考えてみます。

1)AI検索ユーザー増加によるゼロクリック現象の拡大
ユーザーは、従来の検索エンジンの場合、検索結果ページに表示された個々のWebサイトへ遷移し、複数のページを比較しながら情報収集を行っていました。
しかし、AI検索は、最適化された回答をワンストップで提示するために、特に、基本情報を求める潜在ユーザーほどAIの回答だけで満足して、その先のWebサイトへの訪問をしないまま情報収集を完了するケースが増えています。

この現象は「ゼロクリック現象」と呼ばれ、総じて、Webサイトへの流入機会が減少して、従来のSEO施策だけではアクセス数の維持が困難になりつつあります。
SEOを中心に集客してきた企業は、ただ順位を上げるだけではアクセスが獲得しづらくなるという課題に直面し、新たなAI検索ユーザー対策が求められています。

2)AI検索ユーザーのアクセスは少ないがCV率は高くなる
現状、AI検索からの流入数そのものは多くはありませんが、問い合わせや資料請求といったCVに至る割合は検索エンジン経由のユーザーと比較して非常に高い傾向を示しています。
これからのAI対策として、この、売上に直結するCV目的を徹底した施策やコンテンツ企画制作が重要になります。

3)AIに「信頼される情報」と認知されることでCVが増加する
従来のように「検索エンジンで上位表示を獲得し、流入を増やす」という従来のSEO中心の考え方だけでは、集客やCVに結びつかなくなっています。
AI検索で引用されても、クリックやCVには至らないケースもありますが、AIの回答内で自社名や自社コンテンツが何度も目に入るようになると指名検索も増え、生成AIからも「信頼できる情報源」として扱われるようになり、AIの回答内での掲載頻度も向上していく好循環が期待されます。
また、ユーザーの記憶に残り、指名検索や資料請求といった次のアクションにつながる可能性も高まります。

4)広告での集客が難しくなる
競合の増加と検索機会の減少のため、クリック単価や顧客獲得単価が上昇しています。
また、広告しても、リード獲得を目的とした資料請求中心では比較検討層が少なく、成約に結び付かなくなっています。
AIの進化による広告への影響の例)
・資料請求のCV中心では、検討の浅い層が増えるが、成約化が難しい
・いままで取れていた、比較検討の初期段階の顧客が獲得できなくなる
・生成AIが代行して瞬時に回答してくれるため、比較検討段階での広告が不要になる

2.AI検索によって変わるユーザーの行動

 1)Webサイトにアクセスするのは、潜在ユーザーより顕在ユーザーが多い
AI検索の普及による行動の変化のひとつとして、AI検索を利用するユーザーは、自身の課題と目的意識を持った状態でWebサイトに訪れている可能性が高いことです。

一般に、基礎知識やトレンド情報などを求める潜在ユーザーは、AI検索情報で表示された情報を閲覧しただけで満足して企業のWebサイトにアクセスすることは少ないことに対して、課題解決方法の模索や具体的な技術・製品の比較検討を進める段階にある購買フロー後半の顕在ユーザーは、AIの回答だけでは必要な情報を十分に得られないため、さらに、その先の企業Webサイトとの直接的なアクセスを行い、問い合わせや資料ダウンロードに至ることが多いと言えます。

これからは、いかに、AI検索で引用され自社のWebサイトにアクセスしてもらうかが重要。AI検索で増えるのは“情報収集層”より“比較検討層”になるため、「CVに近いコンテンツの質・量の充実」が不可欠になります。 

2) 検索型から会話型の検索行動へと変化する
次の流れとして、ユーザーの検索行動が探索型から会話型へとシフトする点です。
従来の検索エンジンでは、まず、ユーザーはキーワードを入力し、その検索結果に表示されたWebサイトの中から必要な情報を選び、実際にアクセスして内容を確認しながら情報を収集していました。
AI検索では、ユーザーはキーワードに縛られず、会話を通じて段階的に情報を深掘りしていくことが可能になります。
そのため、ユーザーがAIにどのような質問をするかを想定し、それに対応したコンテンツ設計を行うことが重要です。

3)企業側の情報発信に対して与える影響
AI検索の普及は、従来のSEO中心の集客モデルを大きく変えつつあります。検索エンジン対策(SEO)では、一般的な知識情報は一定のWebサイトの集客効果がありましたが、AI検索では、引用されたとしても、他のサイトと同質な内容ではWebサイト情報をクリックしてもらえない可能性が高くなります。
AI検索を前提とすれば、ユーザーのニーズに応える専門性の高い一次情報を充実、発信させることが重要になります。
①従来の検索エンジンからは「潜在ユーザー」を獲得しづらくなる
今まで、ニーズがまだ顕在化していない「潜在層」を検索エンジン経由で獲得できていましたが、AI検索では、潜在ユーザーの情報収集の多くはWebページのリンクをクリックせず、AIで完結しまいます。AI検索が多くなるほど、従来のSEO施策だけでは潜在ユーザーとの接点を作りづらくなっています。
②「顕在ユーザー」に対しては、より専門性の高い独自情報の掲載が求められる
AI検索では、チャット形式での対話を通じて比較検討レベルが高くなるため、一般論や基礎的な説明よりも「顕在層ユーザー」が多く、専門性の高い知見や自社独自の一次情報を言語化して掲載することが求められます。
「顕在ユーザー」が比較検討に必要な情報を公開し、AIとの対話で深掘りされる質問にも応えられる詳細情報を充実することが重要です。

③「AIが理解しやすい情報設計」の必要性
AIは企業Webサイトだけでなく、広告やSNS、外部ポータル、ニュースリリース、パブリシティ記事など多様な情報を参照します。そのため、企業が情報の発信や整理、構造化を十分に行っていない場合はAIが正確に読み取りづらくなり、結果としてユーザーに推薦される機会が減る可能性があります。
検索エンジン向けの最適化対策がSEOとすれば、AI検索対策は「AIが統合的に理解しやすい情報設計」を行う取り組みが重要になります。
④多様化したコンテンツ展開が不可欠
従来のSEOのような「テキスト中心の最適化」だけでは不十分になりつつあります。
AIは、テキスト・画像・動画・音声など複数の情報形式を理解し、検索データとして処理できます。テキスト以外の情報も総合的に判断し、画像の質・文脈との一貫性・動画の説明力なども、AIの評価材料になります。

生成AIがWeb情報を学び、回答に引用するケースが増える中で、「AIに見つけられ、信頼され、引用されるコンテンツ」をどう作るかが、企業や個人の発信戦略において非常に重要になっています。

⑤AI検索時の「プロンプト」対策が必要
AI検索ではユーザーがプロンプトを入力して、候補企業や商品、技術情報をまとめて入手するという形式になります。
そのため、AI検索時代に求められる対策の中心は、将来入力される可能性の高いプロンプトを想定し、それに対して正確で一貫性のある回答が生成されるよう、あらかじめ、Webサイト内に、商品・サービスや技術情報、採用設計事例、周辺情報など、企業として資産ともいえるほどの専門的な知見を充実することが重要になります。

3.BtoB企業にとってのAI検索対策
一般に、BtoB企業の購買は、問題の発見や課題設定、比較検討といった長い購買プロセスと複数部門責任者の評価を経ることになります。
AI対策としては、それぞれの関与者のプロンプトの背景や深層心理を想像し、問いを立て、自社ならではの専門的な情報を公開して置くことが重要です。

1)AI検索対策で重要なこと
AI検索対策で、特に重要な要素は、信頼性や構造化データ、ユーザープロンプトの対応です。

① 信頼性について
AI検索では、情報の「信頼性」が重要になります。生成AIは“意味の一致”を重要視するため、「どこか一つで良い記事が書いてある」よりも「多くのメディアで同じ情報が存在している」状態、例えば、企業サイトや商品ページ、オウンドメディア(ブログ記事サイト)、設計採用事例ページのほか、業界専門情報サイトや商品比較サイト、広告、SNS、プレスリリース、広報活動、特許情報や技術レポートの発信など、複数のメディアで同じ説明がされているか、具体的なのか、といった「信頼性」が評価されます。

② コンテンツの構造化データについて
SEOでいう構造化データと同様に、AIでも、理解しやすい“構造化された技術情報”を整備することが重要です。
たとえば、AIは長文よりも「体系立てて整理された情報」を引用しやすいため、見出し・結論・詳細解説・箇条書き・図表・工程解説、動画説明などで構造化し、論理的に整理することが求められます。
また、業界別や市場分野別、商品別、課題別、技術/スペック別・用途別のほか、比較検討情報、実績、調査データ、よくある質問などといった区切りがはっきりしているWebサイトなどは構造化されやすく、AIに引用されやすい傾向があります。

③ ユーザーのプロンプト対応について
AI検索の特徴は、ユーザーが「条件ベース」で質問するので、Q&A形式や箇条書きなどの“プロンプトの形式”に対応できる情報形式が企業サイトに用意されていることは重要です。ユーザーニーズである入力プロンプト情報がストックされた企業ほど、プロンプトと一致しやすくなり、引用の候補に挙がる確率が高まります。
これはSEOでいう「検索意図との一致」に近い構造ですが、AIでは、より“潜在的なニーズの一致”が求められます。

2)気をつけたいAI検索の落とし穴

①自社サイト以外でも自社独自情報を広げる
AIは複数の場所に散らばった情報を確認しながら信頼度を判断するため、仮に、自社サイトだけにしかコンテンツを公開していない企業の場合は、情報の裏付けが弱いと判断される可能性があります。特に企業は技術がニッチな分「信頼性」が重要。外部に情報が広がっていないと、AI検索上では候補から外れてしまう状況も起き得ます。
②情報更新を定期的に行う必要がある
AIは、最新情報を自動で反映しているわけではなく、Web上で継続的に公開されなければ、AI内部では古い情報のまま認識され続けます。情報更新を定期的に行う必要があります。
また、たとえば、専門用語の扱いにも注意が必要です。
AIは文章の意味を読み取りながら理解するため、商品の定義(分類基準など)がサイト内で統一されていないと、AI内部で意味のブレが起き、正しく認識してくれません。
③AIに引用される価値のある一次情報を充実し、管理する
AI引用では、特に、一次情報が強く評価されますが、AIが抽出する情報は公開情報に限られているため、公開されていない技術や守秘性の高いコンテンツはAI検索の対象外なります。逆に、外部で誤った情報を拾って回答が生成される可能性もあるため、日頃の誤情報の管理や公式発信の精度も重要になります。

4.AI対策として、取り組むべきコンテンツ戦略の概要

1)AI検索対策を始める上で、基本的なこと
AI検索対策の基本は、「AIに正しく理解、引用され、これに対応した必要なコンテンツを整える」ことです。
たとえば、顕在ユーザーが求める、専門的で詳細なコンテンツを充実しつつ、Q&Aや解説コラムで意味を補い、複数メディアやツールで一貫した情報を発信することが重要です。この積み重ねによって、ユーザーがAI検索入力したプロンプトから候補企業を探すとき、自社が引用や言及されやすくなります。

2)優先すべきAI対策コンテンツ
AI検索対策に於いては、CVに近い購買フロー後半の「顕在ユーザー」を想定して、AIが引用した後に実際のWebサイト訪問につながりやすく、課題解決や比較検討に直結しやすいコンテンツが重要です。特に、「設計採用事例」「導入のメリット/デメリット」「比較検討」「製品・サービス紹介」「商品の選び方」「詳細技術」など、問い合わせや商談の質の改善にもつながりやすいコンテンツを優先的に強化すべきです。

3)AI検索時代において、Webサイトに掲載すべき情報
AIが引用しやすい一次情報(自社の独自専門情報)を積極的に増やすことが必要です。一般論や基礎知識だけでは差別化できず、たとえ、AIに引用されたとしても企業Webサイトをクリックしてもらいにくいため、自社の経験や技術ノウハウを基にした一次情報は不可欠です。

例えば、設計採用事例や商品/技術情報のほか、実証データ、開発者や商品企画者インタビュー、専門家の知見、市場調査結果などの一次情報を積極的に掲載することが有効です。

注意すべきポイントとして、AIは意味を読み取りながら情報を再構成するため、「強み」「機能」「技術」「用途」「実績」が曖昧な状態で混ざって記載されていると、意図しない解釈をされる場合があります。

「対応できる可能性がある」「検討したことがある」といった曖昧な表現は、AIにとっては“対応できる”と誤認されやすく、結果的に不適切な候補として表示されるリスクがありますので、注意が必要です。

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