身近でニーズもあるにもかかわらず、手付かずで情報が不十分な分野には、オウンドメディアは最適です。
今回は、そんな状況下の中で、オウンドメディアに取り組んだサイトを紹介します。
日本全国の公園情報やニュース、イベント、流行をお伝えする専門メディア
PARKFULは、日本全国の公園紹介記事を中心に、公園をもっと楽しく、もっと身近に感じられる情報発信に取り組んでいる公園専門メディアです。
サイトのコンセプト
サイトを運営している株式会社コトラボは、公園などの屋外公共空間向けの家具や遊具を製造・販売するメーカー「株式会社コトブキ」の100%子会社とのこと。株式会社コトブキ自体は創業100年を超える会社です。
公園の情報はこれまで、公園の管理をする自治体ごとに分散しており、情報量も質もさまざまで、あまり十分に発信されていない現状がありました。
そこでPARKFULでは、アプリやWebメディアを通じて、全国の公園の情報をより手軽により多くの人に届けるため、情報の整理と可視化に取り組んでいます。公園の今を多くの方に知ってもらうことで、公園を活用した子育て環境、地域コミュニティや地方経済の活性化について考えていただくきっかけを作っています。
しかも一方的な情報発信ではなく、みんなでつくる『共創』をコンセプトし、公園情報は、自治体とユーザーの皆さまとともに作っているとのこと。
コンテンツ内容
公園を多様な切り口で伝えるコンテンツの内容には、
- 公園紹介
- 公園を考える
- 公園イベント
- PARKFUL情報
というカテゴリーに分かれています。
「公園紹介」では全国の公園を紹介しており、「公園を考える」では取材やコラムが中心となっています。「公園イベント」ではこれから開催される全国の公園イベントを紹介しており、「PARKFUL情報」ではPARKFULからのお知らせやレポートなどが取り上げられています。
記事ランキングは、「人気の記事」として、それぞれの記事の下部分に掲載されています。
また、年に1回ほど冊子も発行しています。これら冊子の記事からも抜粋されて、Webメディアに掲載されている模様です。
更新頻度は、ほぼ日で更新されています。対象が全国の公園ですので、社内の人だけでなく、各地のフリーランスのライターの力も借りているようです。
ゴールはサイト利用者の増加?
メルマガ登録や、オンラインストアなどもありますが、サイト自体に表立って促しているバナーなどはありません。どちらかというと、サイトの利用者を増やすことだと思われます。強いて挙げるなら、アプリ登録でしょうか。
(現時点での)結果
一応、分析ツールのSimilarWebで5月3日現在のデータを調べてみると、訪問者数などのデータは見れませんでしたが、
流入の60.77%が検索によるもので、ダイレクト(ブックマーク)が8.9%、リンクからの流入が1.94%です。SNSは28.39%と、他のサイトより圧倒的に高い数値が出ています。
SNS28.39%の内、96.77%はFacebookからとなっています。
SNSは、Facebookのフォロワーが約1400人。Twitterのフォロワーが約500人と少ないのですが、その分濃いファンが集っているのかもしれません。
知見
親会社の本業が、公園などの屋外公共空間向けの家具や遊具を製造・販売するメーカーですから、公園の利用者が増えることが、自社の利益にも繋がりやすいということになります。
公園の利用者を増やすためには、家具や遊具などの製品情報を届けたところで、あまり効果はなさないでしょう。それよりは、今まで不十分であった公園の情報の整理と可視化を行い、公園利用者にとって便利な情報を提供することによって、企業価値も高まり、巡り巡って、親会社の本業の利益にも繋がるのではないでしょうか。
身近でニーズもあるにもかかわらず、手付かずで情報が不十分な分野には、オウンドメディアは効果を発揮していくということです。