最近では、普及品の品質が向上してきていることもあり、オーダーメイド商品を提供している会社も、苦戦をしいられています。そんな状況を打破すべく、オーダーメイドなど一品ものを提供している業界にも、オウンドメディアを活用したケースを見かけるようになりました。
ビジネスマンの役に立つ情報を発信するメディア
オーダースーツ、シャツをカスタムオーダーで手軽に購入できるメンズファッション通販サイト「FABRIC TOKYO」を運営する(株)ライフスタイルデザインと、IT・金融を中心に多角的な新規事業を生み出し続けるIT複合企業・(株)SYGのジョイントベンチャーとして誕生したメディアサイトです。
サイトの目的
「正しい知識で悩みや不安を持っている人々へ力を与える」をミッションに、ターゲットユーザーを20代~30代のビジネスマンと定め、ビジネスマンの生活を支える総合情報サイトとして、情報を発信しています。
サイトの運営者でもある株式会社カスタムライフの親会社にあたるライフスタイルデザイン社では、オーダースーツを販売しているため、サイトの内容は、オーダースーツの認知や理解を深める記事がメインにはあります。ですが、ワイシャツ、ジャケット、ネクタイなど、ビジネスマンの身なり全体を整える情報までフォローしており、そうすることで、読者との関係性づくりや知識の底上げを行っています。
施策
2017年2月から始まり、2018年2月12日時点で240件以上の記事があります。記事の文字数もかなりボリュームがあり、5,000~8,000字の記事を多く見かけます。全体的に写真や図も多く使われているので、わかりやすく伝えられています。
更新頻度はバラバラで、まとめて数十記事を更新されているようです。
記事カテゴリーは、販売しているオーダースーツやオーダーシャツを筆頭に、ビジネスマンの身なりを整えるアイテムを取り上げています。
- オーダーシャツ
- スーツ
- ワイシャツ
- ジャケット
- ネクタイ
- ポケットチーフ
- コート
- 革靴
例えば、2018年2月12日時点での、掲載されている週間人気記事のベスト5を紹介すると、全体的には、スーツやシャツの日々の話題だけでなく、プレゼントやマナーなどもランクインしています。
ベスト5
また、「編集部のおすすめ記事」として、読んでほしい記事もピックアップされています。こちらオーダースーツの話や、まとめ系の記事が多いですね。
編集部のおすすめ記事
これらの記事は、社内のライターか外部のライターなのかは定かではありませんが、契約社員という形で求人を出されているので、社内のライターで賄っているようです。ただ、社内の人はビジネスマンの様なスーツやシャツを着ているわけではないので、リサーチや取材の質が記事にも影響してきそうです。
ゴールは自社製品(オーダースーツ)の販路拡大
サイトのゴールは、自社製品(オーダースーツ)の販路拡大と思われますので、
- オーダーメイドページへの誘導
です。そのバナーが、右サイドバーに貼ってあります。
また、記事内容がスーツだと、記事の最後にオーダーメイドスーツのページへ誘導し、シャツだとオーダーシャツのページへと誘導しています。
(現時点での)結果
アクセス数や問い合わせの数などは公開されていません。
一応、分析ツールのSimilarWebで2月12日現在のデータを調べてみると、、、
訪問者数は安定して、100万前後のようです。かなり凄いです。
流入の約90%が検索によるもので、ダイレクト(ブックマーク)が約8%、リンクからの流入が約1.6%です。ビジネスマンなので、電車通勤ですとスマホで検索して見ている人は多そうです。
また、SNSですが、100万前後あるにも関わらず、Facebookページの「いいね」数は600ほどで、アクセス数から考えるとあまりにも少ないです。
知見
普及品に比べると、どうしても高くなってしまうオーダーメイドという一品モノを販売するには、その価値を理解し、納得してもらう必要があります。オーダーメイドすることの価値を理解させるためにも、いきなりオーダーメイドの話を投げかけるのではなく、その前の段階の部分(初心者的なこと)から、情報を発信していくことも必要になってきます。
また、ビジネスマンの容姿はスーツやシャツだけで成り立っているわけでないので、ビジネスマンの身なりに関連する情報までフォローすることで、まだオーダースーツには興味を持っていない人を巻き込みやすくなります。オーダーメイドという一品モノを提供する会社にとっては参考になるサイトではないでしょうか。