メルマガ活用を考えるシリーズ③ 配信設定・効果測定ほか【ネクストライク114号】

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メルマガ活用を考えるシリーズの3回目、最終回です。
「マーケティングコミュニケーション」視点で考えます。

ステップ3 配信設定する

1.配信リストを作成します
全リストの中から今回配信するリストを抽出します。
リスト全員に配信すると開封率やクリック率は低くなり、正しい効果測定と分析が出来ないからです。
住設/建材業界の場合、新商品情報や販売施策の告知だと全リスト配信で大丈夫かと思いますが、職種(設計or施工向け)、ターゲット(プロユーザーorエンドユーザー)、属性(トップ層or実務層)などで配信区分することも考えます。

2.配信の形式を決める
「テキスト」と「HTML」の2種類の形式があります。
日本ビジネスメール協会の調べでは「テキスト」が68%を利用していますが「HTML」も増えています。
「HTML」は作成に専門的な知識は必要ですが写真や動画を組み込むことができ、さらに、視覚的な訴求が可能なため開封率やクリック率のアップが期待できます。また、アーカイブ機能も活用できます。

3.配信設定を行なう
一般的に、メールが開封されやすい曜日は、火曜日~木曜日、と言われています。祝日や連休有無、月末・月初など、リスト先の仕事状況などで、曜日や時間帯を考えます。

ステップ4 効果測定する

効果測定する際の、4つのチェックポイントです。
もちろん、指標目標をクリアすることが大切ですが、忘れてならないのは、目標にこだわり過ぎるあまり、売り込みモードになって、逆に、見ていただけなくなる危険性もあります。メルマガの成果は一日にしてならず。メルマガは、現実的な信頼関係づくりのひとつ。いちど関係が悪くなると、簡単には解決しません。営業マン含む時間と苦心が負担となります。現状の関係づくりを強化するべきで、相手を気持ちをコンテンツや表現で気遣いし続けることが大事です。慎重な配信を考えます。

1.到達率
実際にメールが届いているか、の指標です。エラー数/配信数=90%以上が目安です。
アドレスが違った、退職した、迷惑フィルターにかけられているなどで、受信者に届かない場合があります。到達率が悪い原因は、そもそも、古いリストであるためアドレスがない、リストの質が悪いことがあります。

2.開封率
お客さまにメールが開封されたか、件名をみて、香味を持ってもらえたか、の指標です。
開封数/配信数=15~20%が一般的です。しかし、お客さんとの関係性から見ると、新規客で5~10%、見込み客で5~15%、既存客の場合で20~30%ほどと言われ、やはり属性によって、開封率が異なることがあるようです。また、会員化されたネットワーク組織の場合は、30~40%と高くなります。社内関係者は、70~80%が多いようです。

開封前に受信者が確認できるのは、「送信日時」「差出人名」「件名」の3点です。
開封率を上げるためには、ターゲットを意識した「内容」と「タイトル」をつける工夫が必要です。
対象者のためになる記事であり、そのことをしっかり気遣いし表現することで信頼関係を築くことが大事です。
最近、各企業さまからいただくメルマガを拝見するにつけ、メルマガの「ネーミング」や件名などにされてなく、”ドライ”な印象がぬぐえません。また、過去記事の使いまわしやリード文や小見出し、コメントのセールス色が強く、潜在層にはプレッシャーとなる点も気になります。潜在層向けの啓蒙コンテンツがない為もあり、月1回や不定期となり、ひとつのメールでひとつのテーマにしてもコンテンツに質と量が不足ケースが目立つようです。(うまくいっているのでしょうか?)

3.クリック率
コンテンツ内のURLコンテンツをクリックした割合です。
そのメールは、心に響いたか、の指標です。クリック数/配信数=3~5%が目安です。

4.コンバージョン率
配信したメールで設定した目標です。
たとえば、目標には、こんな項目があります。
・資料請求
・セミナーへの参加
・アンケートの回答
・会員登録
・お問い合わせ

5.注意したいこと、ご参考
参考1)「メルマガ」のKGIとKPIについて
KGIは、この「メルマガ」で最終的なゴールとする指標(売上額やコンバージョン数など)。KPIは、KGIを達成するための中間指標(到達率、開封率、クリック率、コンバージョン率など)です。KPIの各指標が達成できれば、KGIも達成できることになります。一般的な指標では、配信数を100%として、到達率はその95%、開封率はその20%、クリック率はその10~20%コンバージョン率はその10%と言われています。
配信数×到達率(95%)×開封率(20%)×クリック率(10%)×コンバージョン率(10%)=0.2%

参考2)DMや定期情報誌と比べてのコストパフォーマンスについて
・作業時間や印刷・送料も含んだトータルコストの安さ、
・作成負担の軽減、
・決めてから配信するまでのスピードが速く、機動的な営業活動に活用できます
・掲載する質と量(HPリンクや添付、動画など)が幅広い
・メルマガは、配信された後も保存され、HPや販売支援サイト上で誰しもが振り返る回覧することができますので、リピート教育に適しています。
紙の良さも含めて、効果の出る、コミュニケーションの質と量をどれだけ充実するかを考えます。

参考3)メルマガは実際の営業に活かしてこそ、売上に結び付く
本当にお客さまにとって有益であれば、お客さまとの接点(日頃の電話やメールのやりとり、訪問する)の機会に購読のお願いをすることも必要です。また、メールアドレスをいただいたのですから、配信している「メルマガ」について感想や希望、ご意見などをいただくことで、いい営業接点の機会にもなるのではないでしょうか?
また、配信した直後は、絶好の営業のチャンス。70%近くは開封していなくとも、配信したことは事実。なので、営業担当がメルマガ配信と開封の確認と必要な情報の補足、疑問や質問の有無、今後の開封のお願いなどを営業フォローを徹底させてください。メルマガ配信は、営業アプロ―チのキッカケにしてこそ、売上に結び付きます。机上論では数字に結び付きません。

参考4)セールスよりも信頼感を重視する
あまり売上目標にこだわり過ぎると、お客さまに、ただの売込みと感じられるかもしれません。
「メルマガ」は日頃の信頼関係で成り立って行われている営業活動の中のひとつとして配信されていることを忘れてはいけません。

参考5)マーケティング施策のひとつとしてメルマガを改善する
メルマガの評価目標の数値を高めるには、メールのコンテンツの検証のほか、リストの獲得方法の改善やセグメント、コンテンツの見直しなどステップメールを活用した「マーケティングコミュニケーション」視点での配信シナリオ全体の見直しも必要です。

4.その他、メールマーケティングの基本

1)読まれるタイトルをつける
メルマガの開封率を大きく左右するのがタイトルです。
一般に、件名の表示幅は全角25文字程度です。スマホだと、17~20文字です。
墨付けカッコ【】や2重山形≪≫,★マークなどのくくり記号で注目させる方法もあります。

2)メルマガで、全てを伝えない。
メルマガ内で伝えることには量的に制限がありますので、すべてを伝えきれません。多くのメルマガの目的は、HPやオウンドメディア、YouTubeなどにリンク、・誘導し、リピータになっていただくことで商品の理解と購入動機を促進し、お問合せを増やすことにあります。なので、メルマガ自体(本文)では、例えば、ポイントや要約、注目点についてだけに止め、より詳細な情報のあるリンク先に誘導することを心がけます。簡潔で、シンプルな構成上でも、そのことが言えます。

3)メールの目的によって使い分けする。
「商品や営業」メールとは区別して、「関係づくりのメール」には営業色は入れないこと。
ひとつのメールでは、ひとつのテーマが適切と言われます。たくさんの予算やコンテンツがあればそれも出来ますが、多くの企業さまでは、そこまでは無理なようです。月に1~2回程度なら、「商品・営業」と「関係づくり」カテゴリーを区分け整理することで解決します。

4)配信リストが少ない場合の対策は?
先にふれたコンバージョン率から逆算して、配信数は目標に対して十分に確保できているかが、大事です。
日ごろの営業活動先のほか会員募集チラシや募集キャンペーン、展示会・セミナー、紹介、HPでのメルマガ会員募集などを行います。特に、社内営業マンや流通・販売店には、メルマガ配信・購読のメリットを充分理解してもらい、リスト化をお願いいたします。
その際に大事なのは、ただ単に、メルマガ会員数を増やすのではなく、お客さまがメルマガ会員として自主的に登録してもらうことで、その先の開封率アップにつなげます。

5)休眠対策
一定期間活動のない休眠顧客に対して、何らかのアクションを促すようにメールでアプローチするものです。メールのタイトルや差出人の表記を変える、件名に社名があればそれを外す、お得感のある件名にするなど工夫します。

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