多くの住宅購入者にとって、購入時に気をつけなければいけないことは、沢山あります。「お金」のことだけ見ても、金利や借入先、保険など、事前に知っておいた方が良いことは多いです。
最近では、住宅ローン会社が、住宅の購入を検討している方に、住宅購入に役立つ情報を発信しています。
「家探し」と「住生活」に役立つ情報を発信
国内最大手の住宅ローン専門金融機関「アルヒ株式会社」による、家探しに役立つインタビュー記事、FPによる住宅ローンコラム、住まいのニュースや暮らしの小ネタなど、さまざまな“住生活”に役立つ記事を配信するメディアサイト「ARUHIマガジン」です。
サイトの目的
サイトの運営をしているのは、住宅ローン専門金融機関です。なので、住宅購入を検討してる人や、住宅ローンを返済してる人が、住宅ローンシミュレーションや店舗への相談など、自社のサービスを利用してもらうため、「住宅のお金のこと」を中心に、情報を発信しています。
「住宅のお金のこと」と言っても、金利の情報だけではなく、返済のことや、不動産会社の選び方などの家探し、車のことなどの暮らしに関わってくるお金のことにも幅広く触れています。
金利の情報だけ、自社のサービスを紹介するだけでは、住宅購入や暮らしの中で「お金」に関する意識を高めることができないので、暮らしに関わるお金のことを幅広く提供することで、見込み客(住宅購入を検討してる人や、住宅ローンを返済してる人)との関係性づくりや、意識の底上げを狙っていると思われます。
メディアサイトの方向性としては、見込み客(住宅購入を検討してる人や、住宅ローンを返済してる人)に有益な情報を与えることで、住宅ローンシミュレーションや店舗への相談、借り換えの検討サイトへ誘導することのようです。
施策
2014年から投稿されており、2018年1月22日の時点では1400記事以上あります。最初の頃は、専門分野でもある住宅ローンの情報が多かったですが、徐々に暮らしについて広げてるようです。
記事の文字数もボリュームがあり(2000~3000字以上)、最初の頃は、3~4日にまとめて更新されていたようですが、現在の更新頻度はほぼ毎日1記事というペースです。更新はほぼ日ですが、記事自体はまとめて作られていると思います。
記事カテゴリーは、お金のことはもちろんのこと、家探しや暮らしのことも含んでいます。特別コンテンツとして、住宅購入についての情報もまとめられています。
カテゴリ
- 家探し
- 住宅ローン
- 住生活
- ニュース
コンテンツ
- 住宅購入ガイド
- マイホーム購入のための10のステップ
カテゴリ以外にも、キーワードとして、
など、お金に絡む引っ掛かりのキーワードを取り上げています。
記事のランキングは掲載していないため、人気記事はわかりませんが、気になった記事を一つ取り上げると・・・
「賃貸と購入、どちらが得なのか」という永遠のテーマについても書かれています。
住宅ローンを扱っているからと言って、必ずしも「購入」を勧めているわけではなく、賃貸と購入お互いのメリットとデメリットを挙げ、資金計画の重要さを伝えています。
これらの記事は、自社だけで行っているわけでなく、住宅に精通したライターだったり、専門家であるFPなども、参加しています。記事下に執筆者の情報が掲載されています。お金に絡むことなので、ある程度の専門知識がないといけませんから、記事を書ける人は限られます。
記事下の執筆者の情報例
ゴールのメインは「事前審査」
ゴールとなる仕掛けは、金利情報のところでは、話の流れから記事下に、
- 住宅ローンシミュレーション
- 店舗への来店相談
が設置されています。
ですが、その他の記事の多くに仕掛けられているのは、
- 事前審査への誘導
です。こちらは、記事タイトル下と記事本文下に、設置されています。
さらに、記事下には
という誘導するリンクも貼っています。
(現時点での)結果
アクセス数や問い合わせの数などは公開されていません。
一応、分析ツールのSimilarWebで1月22日現在のデータを調べてみると、、、
訪問者数は18万ほどです。ほぼ日で更新しているのが影響しているのか、安定した訪問者数です。
この内容は、magazine.aruhi-corp.co.jpのデータなので、コーポレートサイト(aruhi-corp.co.jp)の内容は含まれていません。
流入の約50%が検索によるものです。ダイレクト(ブックマーク)が19%、リンクからの流入が11%ほどです。メールからの流入が5%なので、メルマガを活用していることがわかります。また、ディスプレイが14%なので、ネット広告を使っていることもわかります。
知見
夢ばかりを描きがちな住宅購入において、現実に引き戻されるのが「お金」の話です。住宅において、「お金」は色々なところに絡んできます。なのに、これまで住宅ローンを扱う会社は、金利情報を伝えてただけだったのではないでしょうか。
専門的な知識を含むため、一般の方が全てを理解することは難しいですが、住宅に関わるお金の知識を伝えることで、お金に対する意識を高めるという点では、役立つメディアサイトになっています。
また、精通した方が執筆しないといけない分野なので、無知な外部ライターを使って安易には参入できません。競合になるようなメディアサイトもないため、先駆けてサイトを構築したことが、功を奏しているように思えます。