今号は、「働き方改革の前に、することがある」です。選挙の宣伝文句ではありません。
ネスレ日本で社内調査した結果、仕事全体の中で考えている時間は全体の7%だったそうです。この数値が高いか否かはわかりませんが、ほとんどの時間が資料作成や作業的なことに取られているとのことです。
働き方革命の本質は、きっと、時間内に終わらせるという物理的な問題ではなく、考える時間をいかに捻出し新しい発想、ワクワクする時間に変えるか、という質の問題にあるのかと思います。もしそうすると、
実は、改革の主人公は一人一人の自分になって、自分のことであり、そこで、働き方=考え方を変えてみようという気持ちが湧くのではないでしょうか?
その意味で、働き方改革は、国や会社から言われるのではなく、自分自身で改革するもの、改革できるものでもあるのです。
もうひとつ、将棋29連勝の藤井4段(中学3年)の師匠である
杉本棋士の言葉が印象的です。
『将棋には勝負勘、大局観・・・もっと言えば、人生観が影響する』とのこと。
世界は違いますが、仕事に人生観を持つと考えると、何か気が引き締まるし、時間を大事に使う、考える時間(これは自分が自分である時間)を持ちたいとの思いが高まります。
また、話は戻りますが、先のネスレ社長はこう言います。『新発想するためには長く考えることが必要です』と。何か当然のような、工夫のないような言葉ですが、これが真理なのでしょうか?
なぜなら、ずっと考えるということは、四六時中、考えるのですから、その間にいろんなものを見聞きする機会も多く、その中に新しい考えを生むヒントも出てきそうです。道理として、わかる気がします。多くの人に、そのことについて、聞きまわることができ、そこからもヒントを得る機会もあります。
わたしも、一時期、発想法を研究したことがあります。でも、そこから、新しい発見したことはありません。きっと、三日坊主だったからでしょうが・・・
長く考えることが大事で、それ以外のテクニックはおまけ(ないよりあった方がいいけどそれに頼っては本末転倒)と考えます。
長く考える、決して仕事だけに限りませんが、そういった時間を捻出することが、ほんとうの働き方改革であり、考え方改革であり、自分改革でもあるかと思いました。好きな仕事(使命感を持った仕事?)であれば考えること自体は苦痛にはならないということのようです。
「働き方改革」の前に、「自分の考え方改革」がある。考えている時間はどれだけですか?