AI検索時代のオウンドメディア戦略(1)改めて、オウンドメディアとは何か?

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今号は、「AI検索時代のオウンドメディア戦略」を考える4回シリーズの1回目になります。以下は予定になります。(変更になる場合がございます)
1号 改めて、オウンドメディアとは何か?(今号です)
2号 AIがもたらす「オウンドメディア」への影響
3号 AI検索時代に強い「オウンドメディア」の概要
4号 これから始める「オウンドメディア」再設計のステップ
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⾃社で「オウンドメディア」を始めるべきだろうか、「オウンドメディア」の目的とは何か、「オウンドメディア」でどんな効果を得られるのだろうか、このように悩んでいる⽅もいらっしゃるのではないでしょうか。

企業にとってのオウンドメディアは、自社の存在意義を示し、企業が「何のために存在するのか」を社会に伝える場をつくることにあります。
近年のChatGPTをはじめとした⽣成AIの登場により、コンテンツ制作の⽣産性が⾶躍的に向上し、より多くの企業がオウンドメディア運⽤に取り組みやすくなっています。しかし、これからは、コンテンツを単なる「情報」ではなく「熱量」として捉え、コンテンツがどれだけ熱を持てるかを重視したいものです。
「開発ストーリーに感動した」「導入イメージがわいた」「社内資料として検討したい」といった多様な価値を生み出し、AIには生み出せない“熱量”こそが人間が作るコンテンツの強みと言えます。

マーケティングは顧客の立場に立つことが重要です。生成AIで“簡単に誰でも作れてしまうコンテンツ”に、読者が刺激されるかには疑問があります。AIで作成され溢れかえる、これからのコンテンツの世界を想像すると、敢えて、必要とされないコンテンツをAIで作る意味はないと思います。

特定の悩みを持った人がAIに相談した際、真っ先に自社が信頼できるパートナーとして推薦される状態をどう作るか。そのためには、一貫した専門性を持って発信し続けるしかありません。その意味で、地道に自社の一次情報である強みや実績、ブランドを積み上げてきた企業にとっては、オウンドメディアの可能性は広がり、市場に於ける指名獲得の絶好のチャンスになると考えます。

AIが情報を拾いに行く先も、結局はWeb上にある信頼できるコンテンツであり、「その企業だからこそ言えること」に基づいたコンテンツです。その上で、これからは「狭く深く」刺しにいく設計が求められます。

マーケティング戦略を構築する上で、当該市場や競合での自社のポジション(問題点と課題を整理し位置づけたもの)の仮定設計に役立つフレームワークである「3C分析」では、コンテンツを企画する上で①「顧客ニーズがある市場」②「自社の強みが活きる市場」③「競合他社が少ない市場」の順番でマーケティング戦略及びコンテンツ企画を行うことが重要であるといわれています。

「ユーザーが何を知りたがっているか」を分析し、それに対して「専門性のある、信頼に足る一次情報」を提示するという「「顧客視点」の考え方自体は、AIに引用されるためにも、AI検索の結果に表示されるためにも重要性が増しているといえます。

※3C分析とjは(顧客=Customer、競合=Competitor、自社=Companyのそれぞれの頭文字で、「ターゲット顧客がたくさんいる市場こと」、「競合他社が少ない市場を選ぶこと」、「自社の強みが活きること」。この3つの条件が揃う戦略を立てること

1.なぜ、オウンドメディアの重要性が増すのか
AIが回答を生成するためには、信頼できる情報源が必要。その情報源の中核を担うのが、オウンドメディアです。
AI検索が主流になりつつあるからこそ、自社の経験・知見・想いを発信するオウンドメディアの価値はむしろ高まっています。

外部プラットフォームのアルゴリズムに依存せず、企業が自ら発信するオウンドメディアは、自社の専門性と信頼性を蓄積できる「資産」としての価値が再評価されています。
AI最適化を行いつつ、Webサイトの構造化、独自性と専門性、ブランドの想起性という3つの視点で戦略を再設計することで、オウンドメディアは持続可能な資産となります。短期のPVに一喜一憂せず、中長期のブランド形成として向き合う姿勢が求められます。

2.オウンドメディアを運用する目的
オウンドメディアの持つ付加価値には、多くの目的があります。

1)リード(顧客リスト)獲得
リード獲得施策にオウンドメディアが活用されます。特にBtoBオウンドメディアに多い運用目的が、サービスや商品のお問い合わせ、資料請求といった「リード獲得」です。
広告媒体では、1件あたりのCVを獲得するまでの費用(CPA)が高騰しています。オウンドメディアは質の高いコンテンツを作り込み、継続して運用することでメディア自体を資産化することができ、また、その集客力と見込み客づくりの結果として長期的な費用対効果(ROI)を高めることが期待できるため、広告費をオウンドメディアに予算配分するという流れが加速しています。
さらにAI時代においては、AIを活用してコンテンツの量を効率的に増やしつつも、企業独自の形式知や暗黙知を活用して質的な差別化を図ることで、より効果的なリード獲得が可能になっています。
2)認知拡大
オウンドメディアは、リード獲得だけでなく、サービスや商品自体を知らない「非認知層」に向けての認知拡大施策にも用いられます。
3)ブランディング
ブランディング施策にもオウンドメディアは用いられます。自社サービスの強みや特長をユーザーに認知してもらい、ユーザーが持っている「重視して選びたい」という評価軸とブランドを結びつけます。
オウンドメディアは、コンテンツの内容や告知方法などを自分たちでコントロールしながらコンテンツを継続的に発信することができ、AI時代においても、ブランディングの重要性は変わりません。むしろ、AIによってコンテンツの量産が容易になればなるほど、企業のブランドアイデンティティを一貫して表現することが差別化の鍵となります。
4)採用力の強化
AI時代においては、AIを活用してコンテンツ制作を効率化しつつも、社員の生の声や企業文化を反映したコンテンツを発信することが、採用ブランディングにおいてより重要になります。
自社の採用ページでの他社差別化コンテンツを紹介することにより、会社の事業や組織、社員イメージの理解が深まり、面談数やミスマッチ、採用確率、採用数にも貢献すると考えます。
5)直接的な収益化(マネタイズ)
オウンドメディアはあくまでも自社の事業課題を解決することが主な目的ですが、一部を商業メディア化することで、オウンドメディアの運用にかかる人件費やコンテンツ制作費を賄うことも可能です。
6)社内の暗黙知の形式知化と活用
新たに重要性を増している目的として、社内の暗黙知を形式知化し、それを活用することが挙げられます。
暗黙知とは、社内のそれぞれの専門スタッフが持つ貴重な経験や判断、ノウハウなど、これまでまとまっていなかった知識や情報のことです。AI時代においては、こうした暗黙知を形式知化し、それをオウンドメディアを通じて発信することで、他社との差別化を図ることが可能になります。
この取り組みは、対外的なオウンドメディアだけでなく、社内向けのナレッジとしての基盤にも応用できます。対外的には企業の専門性や独自性をアピールし、社内的には情報共有や教育に活用することで、オウンドメディアの価値を最大化することができます。
具体的な活用例)
・形式知化した情報を社内の教育に活用する
・各部署のプロジェクトの知見や経験や情報を蓄積し共有する
・社内の知識を循環させ、企業の競争力を高める
・企業のビジョンや価値観などの社内文化形成を浸透させる
7)企業のWeb広報の役割
企業の広報誌は印刷物で配布していた頃は、費用や労力の負担となって廃刊する企業さまも見受けられました。
今では、企業内情報量の増加やメディアの多様化、SNSなどの普及によりWeb広報の役割が重要になっています。

Web広報は、広報誌をデジタル化したもので、企業が自社の情報を不特定多数の人々に伝え、費用を抑えつつ企業に対する理解や共感を得ることを目的としています。広報の本質は「組織とステークホルダー(利害関係者)との良好な関係を築くこと」であり、オウンドメディアを通じて情報を発信することで、ブランド認知の向上や信頼関係の構築、顧客や社会との双方向コミュニケーションが可能になります

3.オウンドメディアのメリットとデメリット
企業HPとも、広告とも異なるオウンドメディア。商品サイトや販売支援サイト、メルマガ・MAなどと連携することで相乗効果を出す特性があります。ここでは、単体サイトとしてのデメリットを挙げ、次にメリットを考えてみたいと思います。
【デメリット】
オウンドメディアとして記事コンテンツを公開しても、すぐに評価され、AI検索や検索上位に表示されるわけではないため、成果が出るまでにある程度の時間がかかる場合があります。短期的な成果を求める施策というよりも、長期的な視野をもった、最新の事業活動情報を伝える企業資産として運営することが重要です。(メルマガやWeb広告の活用により短期的な成果も狙うことも可能です)
【メリット】
1)継続的な投資で、顧客基盤をつくる
2)広告費の削減になる
3)自社メディアとの相乗効果がある
4)自社メディアを持つことによって直接アプローチができる
5)自社独自の業界NO1『業界特化型オウンドメディア』で他社差別化を図る

1)継続的な投資で、顧客基盤をつくる
オウンドメディアに公開した記事コンテンツは、AIや検索エンジンによって、継続的な集客を行える安定した資産であることから、コンテンツ作成の予算は”経費”ではなく”投資”と言えます。また、自社媒体ではなく、情報を見るだけで終わる確率が高い広告やSNS経由のユーザーよりも、AIや検索エンジン経由のユーザーの方が興味関心レベルや購買意欲が高いため、特に、BtoBやBtoBtoC業界にとっては、競合が強くても直接流入が期待でき、集客効果を見込め、より売上に繋がりやすい顧客層を獲得できるとも言えます。また、業界特化型でかつ専門性が高ければ権威性も期待できるため、ドメイン強化にも繋がります。継続的な顧客づくりに投資している企業や事業部は、将来も成長する可能性が高いと考えます。
2)広告費の削減になる
一般的に、広告を中止したり広告費を削減すれば、売上は下がるかもしれません。しかし、オウンドメディアなら、広告費をかけずに集客が期待されます。いままで、広告や展示会、まとめサイトなどの他社媒体に依存していた集客が、自社媒体であるオウンドメディアでもできるなら、その分だけコストダウンが図れることになります。
3)自社のメディアとの相乗効果がある
オウンドメディアは自社の他のメディア、たとえば、企業サイトや商品サイト、SNS、導入事例サイト、メルマガ・MAなどとの相乗効果が期待されます。オウンドメディアの読者を企業HPや商品サイト・販売支援サイトに誘導させる、新記事をメルマガで告知する、メルマガ会員募集する、新商品の発売や最需要期に期間限定で行う展示会やセールスプロモーション施策、ツールとの連動告知など自社メディアならではの特性を生かして臨機応変な活用ができます。こういった可能性があるのも、自社で自由に操作できるオウンドメディアを持っているからです。

4)自社メディアを持つことによって直接アプローチができる
自社メディアを持つには、人の手間や手続き・時間、運用コストがかかることが負担になります。しかし、これからは、自社メディアを持っている企業と持たない企業の格差が徐々に、確実に企業・事業の差となっていく時代になります。自社のメディアであるからこそ、自社の商品・サービスの強みを生かしたサイトとして他社の広告やWeb媒体に影響されずに、また、何ら制限されることもなく集客や新商品のPRができます。情報を発信する側の立場としての権威やブランディングにもなり、自社の顧客が根付きやすい環境の場にもなります。

逆に、自社メディアがない企業は、これからもずっと、多くの費用を投下して集客や宣伝を他社媒体に頼らざるを得ません。表現や容量の幅にも制限がありますし、自社媒体でないためにリード獲得の制限や効果測定の限界、成果も限定的になってしまいます。保険の掛け捨てと同じように投資ではなく経費となり、将来使える武器、資産にもなりません。このように、自社メディアがあるのとないのとでは、大きな差があると言えます。

また、もうひとつ重要なことがあります。いままで長い流通販売ルートのために、アプローチ不可能だったエンドユーザーとの直接的な販売チャネルを自社で持てることが期待され、これも大きな強みになります。流通販売ルートを流通代理店に握られた多くの業界のビジネスモデルでは、これから考えられる流通再編の影響が想定されるだけに、望ましい状況とは言えません。いままでのように、右肩上がりの市場ならいいいかもしれませんが、不確定で、厳しさが想定されるこれから、BtoBやBtoBtoC業界の企業にとって、自社メディアを展開することで集客して顧客リストをしっかり蓄積し直接アプローチ可能なメディアを構築することは、企業にとって最重要課題と言えます。他社媒体や流通販売ルートに依存することなくユーザーに直接アプローチできる体制は必要不可欠。インターネットでなら、自社メディアを持つことが出来ます。これが、自社メディアの持つメリットの大きい理由です。
5)自社独自の業界NO1『業界特化型オウンドメディア』で他社差別化を図る
私たちが目指したいのは、自社独自の業界特化型オウンドメディアです。多くのWebサイトが乱立する企業のサイトを見ても、業界を代表することを目標とした、本質的な価値を追い求めるサイトは少ないのが現状と感じます。市場での事業/商品カテゴリーNo1としての専門的な知見溢れるコンテンツで成り立つオウンドメディアは「資産」と言われますが、そのコンテンツの質量が欠落しているからです。何もしなければ、より評価されるコンテンツが他のWebサイトでアップされ、常に新しい情報によって更新されていくため、価値は下がっていきます。しかし、新しい需要のあるコンテンツを掲載したり、過去記事の定期的な更新・メンテナンスなどにより、顧客ニーズにきちんと応えていくことができれば、自ずとアクセス数は増えリードし続けることができます。本質的な付加価値を持つ自社独自の業界特化型オウンドメディアを築き、コーポレートサイトや商品サイトと連動し、乱立している他社のWebサイトと差別化を図ることが重要です。

オウンドメディアは、競合との差別化と自社の専門的知見を徹底したコンテンツの集合体。企業が考える強みコンテンツがしかるべきターゲットにとって魅力的なのか、コンテンツが継続的に蓄積できるか、しっかりと考慮する必要があります。もし、専門性を築くことができ、うまくブランディングすることができれば、「特定のジャンルならこのサイト!」といった指名検索され、市場/業界にとって揺るない確固たる信用を勝ち得ることができます。自社独自の業界特化型オウンドメディアを構築し他社差別化を図り、業界NO1の集客サイトを資産として持つことに大きな価値があると信じております。

 

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