今号は、新型コロナウィルスの世界的な流行の後の、これから10年先も必要とされ生き残る【企業の条件】について、少し考えてみました。
リーマンショック(2008年)の影響から立ち直るまで株価の推移で3年かかったそうです。今回の惨事がどれほどの影響を及ぼすかは、いま少し時間が必要ですが・・・しかし、その時は、確実に、来ます。
近未来技術は、AI、自動運転、ビックデータ、IoT、ロボット、ドローン、第5世代移動通信システム(5G)などの進化をもうすぐ、目のあたりにすることになります。それを見越したように、日本の高齢化率が21%を超えて労働人口の減少し、労働生産性の伸び悩みが深刻になり、それによって働き方改革の推進による労働時間の短縮のために効率的かつ生産性の発揮が求められています。
30年生き残る確率は起業されたうちの0.1%と言われている企業、生産性の向上のための方策としていろいろあるかと思いますが、たとえば、「テレワークの推進」「業務効率の向上」「デジタルマーケティング人財」の3点について考えます。
1.「テレワークの推進」がスピードと効率を優先させる
もともと、オリンピック期間中に会場周辺の混雑緩和のための「テレワーク」が今回の出来事によって、一気に前倒しされ、今後急速に定着します。BCP(事業継続計画)にあるように常時でも「テレワーク」が求められています。調べましたら、アメリカでは80%以上がすでに「テレワーク」実施済みです。この80%は、今、さかんに新型コロナの影響で叫ばれている外出自粛80%と符合し、アメリカ並みの水準に近づくかもしれない
日本の将来を暗示しているように感じます。
堀江貴文氏(ホリエモン)は極論を言っています。
「本格的なテレワーク導入は、企業の余剰人員をあぶりだす可能性がある」と。
オフィス勤務と違いテレワークは、役割と成果がより明確になり、”本当に成果を出している人財が誰なのか”を見える化させてしまい、結果、問題を見つけ解決する自主性と能力がある前向きな社員にとって有利なようです。逆に言えば、ほかのスタッフに頼り、自分の意見や判断、成果や責任に自覚がなく、存在感や時間的拘束で「働いてる感」を出している人にとっては厳しい環境になってしまいます。例えば、会議に出席するメンバーも必要最低の人数に絞ているとの話も聞きます。ますます企業は、スピードと成果を重視し、自分で考え会社に貢献する社員を見つけ育てる傾向が強くなることが想定されます。
2.「業務効率の向上」で付加価値を生む
外勤中のスキマ時間や内勤のルーティン作業(データの取りまとめ、集計分析、レポート)などの業務は、例えば、「問い合わせ内容は人が対応せずAIチャットボット一次受付する」「言語も理解して判断してくれる」といったようにデジタル化されていきます。
いま、多くの企業で注目されているのが生産性を向上させるサービス「RPA」は、定型業務に加えて、非定型業務の自動化、さらに、業務プロセスの分析や改善、意思決定までも自動化するようです。
アメリカの発明家で未来学者、レイ、カーツワイル氏は、2045年までにはロボットや機械の知能が人間の知能を超え、自己進化していく状況にいたる時点が到来すると予告しています。創造性がない作業はデジタルをかつようして効率化する、削減して生まれた時間を人が付加価値の高い仕事をするような時代になります。
創造性ある企業が、生き残りを確かなものにします。
3.「デジタルマーケティングに強い人財」を求める
不況になると、多くの企業は「固定費の圧縮」「マーケティング予算」の削減に目を向けます。
「コロナショック以降」をひとつの転機として、長期的な視点で費用対効果の高い施策に力を入れて考えたらいかがでしょうか?新規獲得のコストより既存客を維持するコストほうが安く成果が上がりやすいといわれています。コストパフォーマンスの良い既存客からの売り上げを最大化することが必要です。広告や展示会などよりは、比較的低予算で実施できる見込み客や既存客を成約化できる施策「ネット活用」が賢い選択かと考えます。
今まで対面で普通に行われたあらゆる活動が一気に、デジタル(オンライン)で素早く済ませる環境が整備されます。少ない予算で最大限の成果を上げるデジタル人財は企業にとって、今まで以上に必要不可欠な存在となります。