最近の疑問?「デジタル活用」以前に感じること【ネクストライク178号】
コロナ過による展示会の規模縮小や非接触営業などの全く予期せぬことのほか、働き方改革やテレワークの浸透などにより、2~3年後の将来が急に訪れ、今までのマーケティング活動でできていない問題点を露わにしたように思います。
その中で、メルマガやWebの立ち上げ企画時に、そもそもデジタル活用以前に問題点があるのではないかと疑問を感じるケースが少なくないようです。今号は、最近感じるデジタル活用以前に感じ思うことを少し考えてみます。
1.例えば疑問と感じること
1)効果測定をしていない
広告部は業界内外の広告やHP・Webサイト、事業部は展示会やキャンペーンをそれぞれを企画実施していますが、あまり効果測定や費用対効果の見直しを行っていないのではないでしょうか?特に毎年、お付き合い媒体への出稿や恒例のごとく行っていた広告や展示会やイベントなど、部門間の連携がなされていないため、無駄な経費を使ってはいないでしょうか?
2)顧客リストがない
予算がある程度あればできた広告や展示会、セミナーなどでの顕在客の営業フォローである程度の売り上げが見込め特に問題なかったのに、急なコロナ過で、顕在(リスト)客がいなくなって初めて、潜在客の重要さを再認識した企業様が多いようです。過去の資料請求リストや展示会の顧客リストが実は手元にあまりなく、集めないといけないケースも多く見られるようです。
3)潜在客を意識した施策やコンテンツが少ない
ほぼ既存客や顕在客相手のビジネスばかりで、マーケットの多くを占める潜在客を意識したマーケティング活動ができていないと感じます。例えば、潜在客向けの施策やツールがない、HP以外の潜在客を意識したコンテンツがないなど潜在客の重要性を気にしていないよう思われます。
4)お客視点のコンテンツがない
お客さま視点のコンテンツが少ないようです。自社目線や商品目線のコンテンツばかりで、お客さま向けの施策やコンテンツが少なくなっています。
5)マーケティングノウハウの蓄積が少ない
2011年の震災以降、経済活動の低迷による広告販促予算の縮小の連続で、社内外のマーケティングノウハウ力が弱くなって、施策やツールの質の低下を招いていると感じます。予算枠やスタッフの質量の問題もあるかもしてませんが、販促支援の施策やツールは都度提供できていないなど、真剣に考えていないよう感じます。
2.原因を考える
1)いわゆるBtoBtoC業界のメーカーさまの多くは企画開発製造して、流通代理店や販売工事店(販工店)を通じて販売しているため、流通代理店や販工店には詳しいけど、エンドユーザーのことに詳しくないことが多くあるのではないでしょうか。サービス業のようにエンドユーザー(お客さま)目線になかなかなれない原因がここにありそうです。流通代理店や販工店も、本当のところ、必ずしも詳しいとは言えないかもしれません・・・
2)特にセールプロモーションに於いては、ここではお客様目線で考えることが必須です。しかし、従来、あるべきセールスプロモーションを企画制作運営してきていない、お客さま視点の施策やツール、つまりコンテンツが蓄積できていないことは問題に思います。
3)本気で拡売を考えているかが、問われています。
ホームページをリニューアルした、コンテンツを更新しただけで他の施策は思考停止、メルマガやMAシステムは導入したが継続できない、成果が出ない、Webサイトも構築はしたがコンテンツの計画立案や実際の更新、蓄積ができていない、だから成果が出ていない、分析対策ができていないなどの悩みや問題点が出ているようです。
3.これからのあるべき姿とは?
今までのネクストライクで、再三、お話ししているように、デジタル活用はもちろん、そのコンテンツの源泉になるセールスプロモーション施策やツールなどは、お客さま目線(販売店が対象なら販売店目線、エンドユーザーが対象ならエンドユーザー目線)を徹底しなければなりません。
もっといえば、あらゆる施策やツールは、お客様目線、特にエンドユーザーにより接近すべきダイレクトマーケティングが重要と考えます。お客さまの困りごとや希望などのニーズに実態を知ることによって、商品や販売活動に直接生かすことができます。また、特にネット活用の場合は、もし、一旦お客さまの個人情報さえ手に入ることさえできれば、その後の定期的な情報提供にさほどコストはかかりませんし、様々なコンテンツによる双方向の情報交流も可能です。
今、そしてこれからは、一層、潜在エンドユーザーを顕在化する環境を整備すべきと考えます。潜在エンドユーザー目線のコンテンツの継続的な更新を行って集客し顕在(見込み)客を増やし、効果測定、費用対効果を検証しながら少しづつ確実に成果を出していくことが必要です。