「設計採用事例マーケティング」戦略(2)概要と目的
今号は、「設計採用事例マーケティング戦略」を考える6回シリーズの2回目になります。以下は予定になります。(変更になる場合がございます)
1号 「設計採用事例マーケティング」の重要性
2号 「設計採用事例マーケティング」の概要と目的(今号です)
3号 「設計採用事例マーケティング」施策で期待される成果
4号 「設計採用事例」作成方法のポイント
5号 「設計採用事例」の種類と配信方法、成果を出すための留意点
6号 ネクストが「設計採用事例マーケティング」に強い理由
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1.「設計採用事例マーケティング」の概要
「作るのが大変な割に売上に直結するかはわからない」「営業現場から事例を求められていない」「事例活用の重要性は感じているが忙しくて取り組む時間がない」「事例が集まらない」「事例は広報のためのもの」といった意識もあって、現状、「設計採用事例」が活用されていないと感じています。
重要なことは、商品が売れないのではなく“選ばれる理由が“見える化”されていないがために、そもそもターゲットの選定の対象に入っていない可能性があるということです。つまり、「設計採用事例」がない=検討対象に入らないことが売れない原因、これを解決することが必要と考えます。
「設計採用事例」を考える上で重要なことは、お問合せを集める、受注率を上げる「営業力の拡販装置」として、営業が使え設計者に刺さる、自社が保持している専門知を伝える「設計採用事例」を充実することです。
我社は確かに商品力や技術力では、決して負けていません。
企業間競争の激化に伴ない、企業を取り巻く環境が年々厳しくなっており、価格競争からの脱皮、付加価値提案力の強化、商品差別化対策などが急務になっています。
特に、設計チャネルの開拓と深耕を目的に、商品/サービスの認知・理解・指名採用強化及び、Web集客とお問合せ増などを解決すべく、設計採用事例を積極的に活かしたマーケティングが不可欠と考えます。
「設計採用事例マーケティング」。
「設計採用事例マーケティング」の大きな目的は、設計者に選ばれる、他社比較で負けない、営業が後追いしなくていい営業のサイクルを確立し、営業を増やさずに売上を伸ばす「営業の勝ち方を変える」仕組みづくりにあります。
また、「設計採用事例マーケティング」は、事業拡大の大きな指標でもある「価格競争からの脱皮」を目的に、自社の強みや他社差別・専門性を凝縮したコンテンツである「設計採用事例」を充実することによって、設計スペックインの強化及び設計チャネルの組織化を図る施策を行い設計者から選ばれる環境づくりになると考えます。
ネクストが提言している「設計採用事例マーケティング」とは、「設計採用事例」を起点に、ブログ記事やホワイトペーパー、ウェビナー、動画コンテンツ、販促資料コンテンツなどへ複合的な展開をしながら、企業HPへの集客や問合せ強化を目的としたオウンドメディア(ブログ記事サイト)やメルマガ、設計採用事例ページ、設計者支援サイト、インセンティブなどのマーケティング施策をご実施することによって、設計チャネルの開拓と深耕、つまり、体系的な設計チャネルとの信頼関係構築を目指すものです。

2.「設計採用事例マーケティング」の目的
初期設計から最終的なスペックまでの流れは、一般的に、コンセプト設計から始まり基本設計、実施設計、稟議・施主説明段階までの各段階になります。その時、重要な点は、商品価格が崩れる(競合になり、価格で負ける)のは多くの場合、最終的なスペック決定となる稟議・施主説明段階と思われることです。
商品価格が崩れる前に勝ち筋を作るためには、稟議・施主説明段階である「下流」で結果を待つのではなく、コンセプト設計や基本設計、実施設計といった「上流」の段階でのスペックイン採用を強化することが重要になります。
つまり、商品価格競争から脱皮し、自社の専門的な知見アピールするためには、「設計・採用の上流で先手を打つ」ことが不可欠になります。
「設計採用事例」は、設計チャネルへの直接接点で設計採用を働きかける重要なコンテンツであり、一時の提案で決まるものではないだけに、設計・採用のプロセスに早く・継続的に紹介し提案することが鍵になります。この上流を押えることは、お問合せや売上を握る中核戦術と言えます。
次に「設計採用事例マーケティング」の目的について考えてみました。
何らかのご参考になれば幸いです。
1.見込み客を獲得できる
1)設計採用事例を市場分野別・業界別・課題別のほか、エリア・規模などに分類することで、自
社が狙いたいターゲットにピンポイントでアプローチが可能になります。また、そういった分
類された結果を分析することで、新しい需要分野をマーケティングすることができます。
2)実際の、具体的な事例を公開することで、新規のお問い合わせのハードルを下げ、問合せ増に
なる。
3)採用設計事例を通じて、当該設計事務所の実績アピールの機会を提供することができ、一層の
信頼関係が強化された見込客となります。
2.価格競争から脱皮できる
ゼネコンや施工店などは、比較的に商品の施工性やコストに関心がある一方、設計者の方は、商品の良さにさえ気づいてくれればスペックしてくれる可能性が高いのではないでしょうか。価格競争に巻き込まれないためには、採用設計事例の紹介などを通じて上流からスペックインされることが重要になります。
3.売上の先行指標である設計・採用案件を増加させる
長い流通チャネルのため売上が数ヶ月〜年単位で先になってしまう、特にBtoB業界では、実際の下流段階の出荷高・売上という結果指標だけを追うと売上対策が後手に回ってしまいます。売上の数ヶ月先を読むためには、設計・採用という上流の先行指標をKPI化することが重要になります。
その意味で、「採用設計事例」の紹介によって生まれる設計・採用案件は価値のある先行指標。下流段階の出荷という「過去」ではなく、上流段階である設計・採用という「未来」を予定管理できることが、売上予測の難しい業界での自社の正しい事業判断を支えます。
4.信頼関係の構築、ブランディングの確立に貢献する
1)専門性・技術力の証明になる
自社商品の機能や施工性、個別対応力などを伴なった実績が説得力を持ちます。特に高難度案
件や特殊仕様事例があると差別化になります
2)設計や施工上の安心感の提供になる
設計者やゼネコン施工者はリスクを避けたいので、過去事例は、設計施工する上での信頼の裏
付けになります
3)競合優位性の強化ができる
「設計採用事例」を公開していない競合他社よりも、設計段階で“選ばれる理由”が明確になり
ます。
5.営業支援を強化できる
1)提案資料へ活用できる
「設計施工事例」を起点として、ホワイトペーパーや動画、ウェビナー、営業提案資料用のPDF・アプローチシート、展示会資料などマルチユースに展開。顧客の視聴スタイルに合わせたコンテンツを作成することで、当該個別案件に類似した幅広い事例を紹介、説得力を持つ提案ができます。2)営業の属人化が解消できる
事例化することで、誰でもが活用できるため、全社的な提案力を底上げ強化できます。
3)クロスセル・アップセル支援になる
他商品やオプション提案時にも「類似案件で採用されている」という実績を示せます。
4)インセンティブの実施による営業モチベーションアップを図れる
「設計採用事例」の投稿や問合せ、スペックイン、受注などの成果につながる行動を評価、営業スコア化し月次で可視化します。ポイントをランキング化、月間ランキング発表、表彰 or インセンティブなどを実施することで、営業の活性化が図れます。
例)
・事例の投稿1件につき○○ポイント
・問い合わせ発生1件につき○○ポイント
・スペックイン1件につき○○○ポイント
・受注1件につき○○○ポイント
6.デジタルマーケティングを強化できる
1)AIだけではなく、SEO効果への期待が高まる
「○○ 設備 導入事例」「○○ 業種 施工事例」などで検索上位に表示されやすくなります。
2)Webサイトの滞在時間向上になる
文章・写真・図解などの事例コンテンツで閲覧時間が長くできます。
3)SNS・メールマーケティング活用ができる
新規事例の紹介をニュースレターやメルマガ、SNSで配信することで、既存顧客のリマインドも可能になります。
7.企業/事業部の貴重なコンテンツマーケティング資産として充実できる
1)コンテンツマーケティング資産として多角的に再利用可能
Web、展示会、提案資料、カタログ、セミナー資料などにマルチユース活用することにより読者の視聴の好みに対応することでリードやCVを増やすことができます。
2)ストーリー化による訴求力が期待できる
「問題発生→課題設定→比較検討→採用理由→改善程度→成果」のストーリーは顧客に響きやすい。
3)メールマガジン・MAとの連携ができる
メルマガ・MA配信では、見込み客が特定の事例ページを見たデータを活用して、パーソナライズした追客が可能になります。
8.顧客教育・関係性の強化が図られる
1)ターゲットである、設計者・施工者の教育になる
自社商品の設計や施工方法、工夫点を事例化することで、顧客側も効率よく理解できる
2)信頼関係が深化される
「御社の設計採用事例を知っている」という状態は、選定時の心理的ハードルを下げる
3)リピート・継続案件の獲得が期待できる
過去事例や実績を見せることで、次回案件でも安心して選ばれます。
9.市場調査・製品改善への活用
1)商品利用の実態や傾向の現場での評価把握が可能
どの市場・業種・規模でよく採用されているか、どういった点が評価されているか、設計や施工担当などの職務によっての課題などが可視化される
2)商品開発へのフィードバックができる
「この条件では施工が大変だった」「現場設計者からヒントを得た」などの実績情報を次なる商品開発の改善につなげられる
3)営業戦略の精緻化
どの市場分野・業界・課題・業種・規模・地域で受注したかを分析することで、細かいマーケティング戦略資料となり、実際の施策やコンテンツ、ツールに反映、検討することができる。
10.長期的なメリット
1)企業資産価値の積み上げになる
「設計採用事例」は一度作れば継続的に活用でき、決してなくならない情報資産として蓄積されます。
2)企業価値の向上
高難度・高規模案件の「設計採用事例」の公開は、投資家・株主、従業員、採用募集へのPRにも有効になります。
3)競争優位性の維持
競合が追随しても、「設計採用事例」数や内容の差で差別化が可能、カテゴリーN01としてのブランド戦略で優位になる
4)「設計採用事例」で企業や製品の市場優位性が可視化共有されることにより、長期的な設計採用活動が優位なる
5)高い顧客満足度が社内のモチベーションにつながる
特に著名な設計者の作品や公的受賞、多くの「設計採用事例」などにより、社内の評価が高まり、企業や商品に対するロイヤリティが向上します。また、企業サイトや展示会や日頃の営業時での提案、社内勉強会、リクルート会社説明会時などで活用することで、社内でのモチベーションも高まります。