オウンドメディアは、専門性と独自性、権威性あるサイトを目指すことが重要【ネクストライク190号】
オウンドメディア(コンテンツマーケティング)が普及し、今、無数のコンテンツがWeb上に溢れています。では、検索者から見て、欲しい情報ばかりでしょうか?その中には、商品セールス強い内容ばかりや既存のコンテンツをそのまま公開した、ターゲット読者の心理不在、競合がやっているので書いてみた、面白そうなキーワードだから作ってみた、締め切りが来たので公開した、・・・など、あまり意味のないコンテンツが多くを占めているように感じています。
今回は、改めて、本来あるべき良質なコンテンツとは何か、 について考えます。
いままで、ユーザーの検索意図を満たしたコンテンツが良質なコンテンツとして考えてきましたが、それだけでいいのでしょうか?一歩前に進みます。
検索意図やニーズを満たすだけではなく、良質なコンテンツとは、”独自の社会的創造”であるべきであり、自社の企業理念、フィロソフィー、正しいと思う信念、主義主張、社会的価値、もっと言えば、世のため人のために企業・事業としてできることは何か、理念、目標に内在する血であり肉だと考えます。
単に、売上を伸ばす、競合との差別化を図るなどといった狭義の考え方から発するのではなく、専門的で独自性のあるコンテンツをいかにつくるか、どんな新しい価値観を伝えたいのか?このコンテンツを通して、世の中を改善できそうなのか?社会にどう貢献したいのか?はそもそもこのサイトの存在感は何なのか?このような真摯な問いに答えることが、コンテンツづくりの本質と考えます。逆に言えば、何ら、個性もない、目新しさの魅力もないコンテンツでは、ユーザーに見向きもされませんし、そもそも不要です。たとえ、広告や一時の時事関心事などで注目を集め、Googleで上位表示できても、きっと、永い期間の検索ユーザーの視線の中で、真贋を判断され、決して生き残ることはできません。
世の中に本当の価値をもたらすには、既存コンテンツにはない発見と感動、それによる動機づけを与えないといけません。自社の価値観や独自性、強みを掘り下げ、どうすれば世の為、人の為になるのかを考えたいものです。
場合によっては、短期的には評価されないかもしれません。大衆受けとは言いませんが、奇をてらったり、受け狙いなコンテンツ(画像や動画含め)テクニックに、人はどうしても飛びつきがちだからです。
しかし長期的に生き残るのは、必要以上に世の中に迎合するのではなく、自分たちの価値観、哲学に則ったコンテンツではないでしょうか。良質なコンテンツとは、次の時代を創造するコンテンツ であり、結果として、より良い世界の創造することにつながるということです。
創り上げた世界に共感してくれたユーザーは熱烈なファンとなり、あなたのビジネスを他と比較しようとは考えなくなり、いつかきっと、いままでこだわった価値観や哲学は、絶対的なポジション、ブランドを確立します。
もはや、その確立されたブランドは、競合にも、なかなか真似されません。
これだけ、Web情報過多の時代になった今、情報そのもので勝負できる時代は、終わりつつあります。
仮に、先発で有益な情報を発信したとしても、薄っぺらだとすぐに競合に真似されますし、ユーザーからはつねに競合と比較され続けます。だからこそ、今、自社の考え方に価値観と哲学を武装し明確なコンテンツにして発信する意義があるのではないでしょうか?
いまいちど、創業の精神や理念、社会的な使命、持つべき価値観などをコンテンツとして昇華し、唯一無二の存在になることこそ、企業や事業の生き残りの王道かと思います。これは、社外だけではなく、社内含む利害関係者に対するロイヤリティの確立にも機能します。
1.オーソリティサイトの目指す方向は狭義の意味でのSEOではない
熱心にオウンドメディアに取り組んで、一定のアクセス数を獲得することに成功したWebサイトであっても、永く安定したアクセスを集め続けるにはコンテンツの充実と、SEO対策運営が欠かせません。
では、SEO対策を行ない、結果、上位表示されたとしても最終的なゴールは何でしょうか?
当然、マーケティング目標である事業の拡大(売り上げ増)に結び付くことが狙いなのですが、コンテンツマーケティングのひとつであるオウンドメディアが目指すべきは、読者ターゲットの世界で、「〇〇」といえばこの自社Webサイトという評価と信頼を得ることだと考えます。誰しもが、一目置く、常に参考とする情報サイトになれば、まず最初にお問合せをもらうことが出来ます。そうなると、もはやSEOを気にすることのない安定的なNO1サイトと言えます。
2.サイトの権威性が増すことのメリット
権威的なサイトのことをオーソリティ(権威)サイトと呼ぶことがあります。
ユーザーが権威性を認知する。信頼されたウェブサイトを作ることができると以下のようなメリットを発揮することになります。
1)オーソリティサイトはSEOの影響を無視する!?
ニュースならYahoo!ニュース、動画ならYouTube、料理のレシピならクックパッドというようにユーザーが何かを調べようとした時にまず検索するサイトを権威性を発揮しているオーソリティサイトと言えます。「お気に入り」に登録されたり、直接名指しでサイト名を打ち込んでもらえるようになることで、キーワード検索のSEOとは無関係にアクセスを集めることができるようになります。インターネットの世界は検索順位の1番と2番においても大きなアクセス数の開きがでる世界。ニッチな小さな市場でもいいから1番といわれるものを作る、他を圧倒できるニッチなものを探す。そんな大きなサイトでなくても、弊社が得意としている住設建材・設備機器、医療などのBtoBやBtoBoC業界企業も自社が力を入れる市場に対して、オンリーワンを狙ったオーソリティ化、その業界・市場でのターゲットメディアを目指すべきです。
2)信頼がおけるWebサイトは紹介しやすい
その分野の権威となり、信頼できるサイトになれば、誰しもが参考にするようになります。検索ユーザーの立場で考えると、いの一番に参考にするサイトになります。記事作成者の立場で考えると、記事作成する際の参考として「詳しくはこちらのサイトに記載があります」と紹介される可能性も高くなります。私のお気に入りに入れてくれたり、誰かに紹介できる信頼感を作ってこそのターゲットメディアであることです。
3)継続的な被リンクの増加はドメインパワーの向上にも繋がる
様々なサイトに紹介、引用をされるようになると、被リンクの数が継続的に増加するようになります。被リンクされることが次のアクセスを呼び、少しづつ、でも確実に、SEOの順位も押し上げるといった好循環が回りだすわけです。Webサイトの一時的なバズでのアクセス増を期待はしても、我々自身でコントロールできない相手側の判断にゆだれられるため、アクセス数も安定する手法とは言えません。
自社サイトで権威性を高め、信頼を勝ち取ることが本質であり、その結果、その好循環を回し続けることで、ひとつのコンテンツが長い時間を掛けてジワジワと被リンクとアクセスの増加を図るることで、しっかりとした読者基盤・土台の上に、アクセス基盤が積みあがっていきます。まさに資産ともいえるコンテンツ作りに繋がるとも言えます。
4)最強のアクセス対策にも成り得るオーソリティ化
Webサイトの権威性を高めることは、運営者としては目指すべきひとつの目標であることに間違いはありません。SEO対策していること自体は、それなりの効果も期待できるかもしれませんが、どのサイトでも、ほぼ同じように、ある程度のSEO対策はされていますので、その精度で大きな差がつくことはありません。(実際は、正しいSEO対策を計画的に運営視しているサイトは少ないように感じていますが・・・)そもそも、Googleがコンテンツ評価するアルゴリズムの変更を予測できない中、サイト表示の順位をコントロールするには無理がありますし、不可能です。
確かに、今は、SEO対策を施し検索順位が上がるからやるという対応をしているのだとしても、それだけで、自サイトの将来が決定するのでは、心もとありません。検索エンジンに振り回されているWebサイト運用はもうすぐ通用しなくなる時代がすぐそこに来ています。
さらに、SEO自体の強化に力を入れるのではなく、SEO以上に力を入れるべきは、検索者の隠れた”声なき声”に応えた価値を高めることです。(逆に言うと、SEO対策さえすれば大丈夫とのうたい文句に注意が必要ですし、Googleよりも、本来の読者(検索ユーザー)の深層心理にこそ目を向けるべきです)
そこに、コンテンツに専門的な独自性、他にない情報ソースであれば、権威性は高まってきます。独自性のあるユーザーに有益なコンテンツをもって育むということに努めることが重要です。
専門家に執筆や監修、コメントを依頼したり、古い記事を定期的にリライトしてメンテすることで信頼性を担保、ドメインパワーのあるサイトからの外部リンクされることで権威性を高めます。
5)信念、哲学、美学といった独自のサイトコンセプトが大事
差別化と言いながら、実は似通ったものが、世の中に多いようです。
差別性ではなく、独自性、つまり、ほかにない哲学や美学、貫く信念こそ、大事。
逆にそれがなければ、数多くのほかと似通ったものになり、見つけてくれないし、リピートもしてくれないということです。
信念、哲学、美学といった、ほかにはないコンセプトを作り出し、限られた層からでも確実に共感の輪を広めることが、最終的に、大きな共感を得て、永く指示される”差別化”されたデジタル施策になるものと考えます。
デジタル施策の成功のポイントはWeb構築そのものではなく、コンテンツ作成と継続した運営対策力が、最も重要です。