ネクストライク149号「コンセプト」と「コンテンツ」のつくり方
マーケティングコミュニケ―ション、その中のひとつ、オウンドメディアに於いて、あるべき姿でない事例があまりに多いよう感じます。
例えば、
・商品Webサイトのデザインや構成(サイトマップ)が複雑すぎる
・サイトのコンセプトがしっかり確立していない(新しい発見、主張がない)
・コンテンツでは、全体として、カテゴリー体系がはっきり整理されていない(欠けや重複)、コンテンツ数が少なく、更新もされていない事例も多く、また、内容でも、専門的でなく稚拙であったり、商品サービスへの落とし込みがない、あるいは、すぐにリード獲得に営業誘導している
・MAなどと連動したメルマガでも内容がない、薄い、続かない
・・・
こういった現象を見るにつけ、何を目的にしているのか、目線が企業・商品目線を消費者目線に
どうしてできないのか、など疑問に思ってしまいます。
「コンセプト」を決め、「コンテンツ」をどのようにつくるか、について考えます。
ステップ1.コンセプトを決めます。
コンセプトとは、このサイトが、「どんなユーザーに対して、新しいどんな“価値や世界”を届ける、どんな目的を持ったサイト」なのかを明記することです。
次の3つの視点から考えます。
1)ユーザー目線 どんなユーザー(ターゲット)がどんな悩みや不安、希望を持っているのか
2)市場目線 市場で不足している情報は何か
3)自社目線 自社リソースから考えて、どんな価値を提示できるか
ステップ2.Google検索で需要のあるキーワードを探し、検索(市場)ニーズを調べます。
1)ペルソナが検索しそうなキーワードをリストアップします
2)既存のサイトや競合サイトや書籍、専門誌、展示会などからの情報からもキーワードをリストアップします。営業などから、よくある質問や提案内容も参考にします。
3)複合キーワードを抽出する(サジェストの利用)
4)抽出した複合キーワードの全ての検索ボリュームを抽出する
(Googleキーワードプランナー利用)
ステップ3.なぜ、そのキーワードで検索しているのかを仮説、市場や自社の優位性、他社対策を考え、コンセプトを導き出します。
たとえば、「どういった人が、どんな背景で、どんな悩みや希望を持ち、どうしたい・なりたいのか」といったことをターゲットの立場に立って、豊かに柔軟に想像し、深層心理を把握することによって、はじめて、求められ・共感してくれるコンテンツ概要をつかむことができます。
ステップ4.もっと、キーワードを深掘りし、活用します。
1)抽出したキーワードを4つのユーザー見込み客グループに区分けします
①「今すぐ客」とキーワード (全体の1%)・・・今すぐ買う客
②「お悩み・検討中客」キーワード(全体の10%)・・そろそろ買う購入検討中客
③「潜在客」キーワード (全体の10%)・・欲しいが現在必要とまで至っていない、潜在客
④「将来客」キーワードの4つ (全体の79%)・・いつか機会があれば、買う可能性がある将来客
2)上記の②~③、そして④を対象として、さらに、キーワードを絞ります
・コンセプトに合致しそうなもの
・ユニーク性や戦略的なコンセプトの芽になるもの
・検索ボリュームが低いものを除く
3)カテゴリー、個々コンテンツ、ランディングページにキーワードを入れます
①カテゴリー ・・・・・KJ法などでグルーピング、タイトルをつける
②個々コンテンツ・・・・主に上記②と③を中心に記事を書く
③ランディングページ・・上記①の記事を書く
ステップ5.マーケティングコミュニケ―ションの視点で考えます。
ターゲット(ペルソナ)特有の行動モデルを仮設し、そのうえで、Webに限定しない広くマーケティングの全体活動を視野に入れた考え方を持ち、カスタマージャニーとコンテンツマップを作成します。
ステップ6.お客さまの「カスタマージャーニー」ー沿って、「コンテンツマップ」を作成します。
「カスタマージャーニー」とは、
・「認知」段階では、SEOを意識したブログ記事定期掲載とSNS拡散
・「興味関心」段階では、アドレスを獲得することを目的に、見込み客用のノウハウ記事などのプレゼントを用意し、ブログ記事から、作成したランディングページに誘導する
・「検討」段階では、メルマガを使って、セグメントや見込み度に応じた、購入に踏み切るコンテンツを配信する「コンテンツマップ」は上記の各段階ごとに具体的なコンテンツ内容をいくつかの形式で整理した表です。
形式としては、ブログ記事のほか、イラスト・漫画・図解を多用した文章、動画などがあります。
以上のことを実行し、PDCを繰り返して、どうすれば効果が出た、または、出なかったかを知見として整理しながら、試行錯誤すること自体に価値があります。仮設をつくり、勇気と期待をもって取り組みます。
自社で作ったサイトのことは、自社が一番知っているはずですから。
注)「スタマージャーニー」については、大変、面白く、詳細は別の機会に特集として考えます