Webマーケティングの考え方と実践方法④【ネクストライク130号】

「Webマーケティングの考え方と実践方法」シリーズの
4回目【Webマーケティング手法を整理する】です。

これからの予定です。
4回目 Webマーケティング手法を整理する。
5回目 Webサイト構築時に注意したいこと7点。
6回目 Webサイト3つのタイプ。
7回目 Webサイトのリニューアル成功の4パターン。
8回目 コンテンツの種類を3つの視点で整理する。
9回目 改めて「オウンドメディア」を考える。
10回目「マーケティングオートメーション」を考える。

弊社の基本的なスタイルとして、お伝えできれば思います。

4.Webマーケティング手法を整理する

1) マーケティングの手法の違い。
従来の広告や販促媒体以外に、「オウンドメディア」「マーケティングオートメーション」「SFA」「CRM」などのWebマーケティング手法があります。それぞれの目的が大きく異なるために、関わる部署も異なります。

①従来の手法
支払期間だけの広告(マスコミ4媒体など)、他媒体依存による拡散広告(SNSなど)のほか、自社で運営する、 HP・展示会・イベント・セミナー、キャンペーン・定期誌・訪問・電話・DM・メルマガ配信活動などの営業行動による、 認知から成約までの一連の活動。
②自社運営のWebサイト=オウンドメディア【広告宣伝・マーケ・営業企画部主導】
自社のHP(コーポレートサイト)とは別に、特に、潜在客に対して、認知・興味関心・理解を促進して
リード(見込み客情報)を獲得することに主眼を置くオウンドメディアと呼ばれているWebサイトです。
単なる、会社紹介や商品紹介といった限られた既存客や見込み客対象ではない、営業支援型の”稼ぐWeb”で、従来の、受け身型から、攻撃型のWebとも言えます。
Webサイトにリピートさせることによって、見込み客に育成し、顧客ロイヤリティとブランディングも図ることができます。
③マーケティングオートメーション(MA)【マーケティング部/営業企画部の主導】
見込み客のリード(見込み客情報)を入手したのち、情報収集客や検討客を見込み客に育成し、見込み度の高くなった段階で営業担当へ引き渡す、一連のシステムです。
④SFA【営業部門の主導】
現在の案件ごとの商談状況を分析・集計することにより、売り上げ予測を見える化する一連のシステムです。
⑤CRM【事業部門/管理・保守部門の主導)
受注した既存顧客に対して、さらに継続的に、顧客の情報を収集分析することで、客単価、LTV(生涯の価値)を最大化する一連のシステムです。

2)Webマーケティングの基本ステップは3つ
【ステップ1】リード(見込み客情報)を集める【リードジェネレーション】
広告やHP、Webサイト、 展示会、セミナー、イベント、キャンペーンなどのさまざまなマーケティング活動の中で手間と費用をかけて入手した資源であるリストは 、今どのように生かしていますか?
管理し、活用して、何らかの成果に結びつけようと意識していますか?マーケティング部と営業部が共有することができていますでしょうか?重要なのは、顧客リストを一元管理し、リード管理と運用までしっかり、行うことです。
以下の活動により、自社の製品やサービスの顧客となりうるリード(見込み客情報)リストを作成します。
・営業担当保有の名刺やリスト
・広告出稿・展示会への出展
・ホームページ、Webサイトの運用
・イベント、展示会、ショールーム、新商品発表会、セミナーの運営
・ダイレクトメール(DM)やテレマーケティング、メルマガの配信とレスポンス

【ステップ2】集めたリードを育成する【リードナーチャリング】
まだ、見込み客になっていない初期の顧客への、いきなりの営業電話や訪問は避けたいところです。
訪問効率も悪く、関係強化にはならないケースもあります。最初は、「潜在」課題を「顕在」課題に引き上げるためのお役立ち情報の提供、メルマガ会員の募集、次に、提案プランや課題解決事例、手法ノウハウ、採用事例の紹介、そして、製品やサービス、詳細情報の提供、無料のセミナーや体験会、説明会、キャンペーン案内・・・といったコンテンツをターゲットの購入プロセス段階に対応して提供、見込み客に育成します。「非見込み客」リストを計画的・継続的に「見込み客」化する手法としては、購入プロセスを網羅して情報提供できる「メルマガ」が最も適しています。

【メール配信のステップ】
目的に対して、ターゲット(ペルソナ)とコンテンツを整理します。
1.目的を決める
例)課題が顕在化していない → 「課題に気づいてもらう」
課題が顕在化している → 「無料セミナーに誘導する」
2. ターゲットを絞る
ひとつのメールに対して設定するターゲットを絞ります。何通りものターゲット(ペルソナ)を設定し、それぞれにコンテンツを用意するBtoCとは違い、BtoB企業の場合は、個人(部門・決定権程度・役職・性別)と企業(業種・規模・展開の地域・従業員数・企業理念と哲学・将来の事業方向性)という2つの大きな軸でターゲットを設定します。絞り込むほどに、”自分事”化してもらえるために、高い反応を得ることができます。
3.ターゲットに合ったコンテンツを考える。
たとえば、目的が「課題を顕在化させる」なら、商品・サービス情報は早すぎます。課題を感じてもらう採用・購入トレンドや会社内外の取り組み、業界一般情報、お役立ち情報など、まず、興味関心を持ってもらう情報提供から始めて、段階を追って、育成を行ないます。

参考)見込み客育成の基本
初期の段階で「訪問したい」「電話したい」「提案書を出したい」は、大事な見込み客のモチベーションを下げてしまうかもしれません。メールマーケティングだと、見込み客の自由意思で取捨選択ができますので、必要以上に、モチベーションを考えなくて済みます。
知ってほしい自社情報や役立つ情報を定期的にお送りし、その人の心を占有することが可能です。
「マーケティングオートメーション」と呼ばれるツールであれば、たとえば、展示会やセミナー客には、
お礼のメールに続き、新商品案内と少しずつ具体的な検討資料を送りながら、Webサイト内の採用事例・商品スペックページ・ノウハウ資料・価格一覧などの コンテンツの閲覧、メルマガ会員、資料のDLなどの履歴(その時期と回数、コンテンツとアクセス数など)を取ることが可能です。
継続的に、「どの会社の、誰が、いつ、どのページを、どのくらいの頻度で見たか」の閲覧履歴を設定ポイントと掛けあわせた合計値(スコア)によって、ある一定期間の上位見込み客を”商談クロージングしたい客”として、営業に引き継ぐことができます。

【ステップ3】「商談クロージングしたい客」として営業に引き渡します
【リードクオリフィケーション】
【リードクオリフィケーション】は、受注につながる確率の高い見込み顧客を抽出するということです。スコアリングと呼ばれる手法を用いて、一定以上のポイントを得た「商談クロージングしたい客」を受注確度の高いリストとして、営業に渡します。
これにより、日頃、5%の「今すぐ客」ばかり狙っていた営業が、より多くの95%の中から選りすぐったピンポイントの「商談クロージングしたい客」を対象とすることができます。あとは、営業の腕次第となります。商談不可や未成立客は再度、育成し、”その時”が来るまでウオッチしながらスコアリング・評価します。
(コンテンツやCV方法、ターゲティング、スコアリング方法の再考も)