オウンドメディア企画作法の1回目【ネクストライク109号】
4カ月ぶりに『ネクストライク』を配信させていただきます。
多くの企業のサイトでは、自社商品やサービスについての商品ライナップやその仕様、価格、キャンペーン、CMキャラクターなどの詳細情報はたっぷり掲載していますが、そういったニーズを持っていない大多数の潜在客にアプローチするコンテンツはほぼ、持っていないように常々感じています。(リアルでもあまり見かけませんが・・・)
コンテンツマーケティングは良質なコンテンツ(記事や動画、SNSとのリンクなど)を通じて段階的に顧客を見込み客化する、 IT・Webの一層の発展はこれからもっと加速し止むことのない、どの企業や商品にとって必須なコミュニケーション手法と言えます。
以下、弊社なりに考えましたオウンドメディア企画作法の現在をお伝えいたしまして、みなさまのご意見をいただければと考えております。今号から3回シリーズで発信いたします。
【予定です】
今号から 0.はじめに・・・
1.基本戦略を考える
2.オウンドメディアの目的を仮設する
3.コンセプトを仮設する
4.ターゲット仮設する
5.ペルソナを仮設する
6.カスタマージャーニ―マップを検討する
110号 7.コンテンツの方向づけを行なう
8.コンテンツマップを作成する
9.ネーミングを決める
111号 10.集客(アクセス)ルートを計画する
11.KGIとKPIを設定する
12.Webサイトのデザインを考える
13.開設後の「分析と対策、運営」を考える。
O.はじめに・・・
1)従来の広告は企業が伝えたいことを一方的にユーザーに伝えるスタイルでした。
マスマーケティング、ターゲットマーケティング、ワンツーワン・マーケティングといったマス→セグメント→個客といった市場の単位(対象)を極限にした歴史があります。これは、ユーザーに一方的に伝える意味では小さな流れと言えます。
次に出てくるのが、ユーザーの許可(情報の提供や取得に於いて了解を得ることを通じて共感させる)を得るパーミッションマーケティングの登場です。
2)それをもっと徹底させ、一方的に伝える(無理に企業メッセージを送り続ける)のではなく、Webが日常生活の情報収集の手段になった時、ユーザーが知りたい(潜在ニーズ)に応えるべきではないか?!そういった考え方に立ったのが、コンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングは良質なコンテンツを用意し、Webサイトでの出会いを通じてユーザーが知りたいと思っている潜在ニーズに対して答え、段階的に顕在化(見込み化)する手法です。
要するに、一方的な広告(高額で告知認知を主目的とするオンエア期間中だけ限定広告)の限界を見てとって、コンテンツマーケティングは生まれたと言えます。
実際、CMが始まると、スマホを見ることが一般化しています・・・また、高額で商品理解が難しく、購入に失敗が許されない商品ほど、事前の情報収集期間と内容は長く深くなり、それに伴って、コンテンツマーケティングの必要性は高くなります。
マーケティング分野になじみやすい、ユーザーにとってのコンテンツ質重視になってきたgoogleの戦略も追い風になっています。
従来の一方的に伝える広告に対して、コンテンツマーケティングは、Webサイトでの出会いを通じて、良質なコンテンツを用意することで潜在ニーズに対して答え、段階的に見込み化する手法です。
IT、Webの一層の発展はこれからもっと加速し止むことのない、どの企業や商品にとって必須なコミュニケーションとマーケ・販促手法といえます。
3)ネクストはBtoBtoC業界の専門家として、企業を超えてご支援いたします。
※ご参考
アメリカのコンテンツマーケティングの権威であるジョー・ピュリッジいわく・・・
顧客はあなたのことも、あなたの商品やサービスのことも気にかけてはいない。
彼らが気にするのは自分自身のこと、彼ら自身の欲求やニーズだけだ。
コンテンツマーケティングとは、顧客が本当に関心を払うようになる、彼らを夢中にする興味深い情報をつくりだすことだ。
1.自社の基本戦略を考えます。
弊社では、マーケティング・販促戦略の中でIT(Web)を位置づけ考えます。
まず、大きく、マーケティングの4Pを参考に5つの項目ごとに問題点(障害となっている事実又は仮説)と機会(生かすべき事実と仮説)を整理して戦略の大方針を決めます。
そのなかで、今の課題と解決方針はどうあるべきか、オウンドメディアはいかに機能し得るかを考えます。
1)市場
2)商品・価格
3)流通
4)広告プロモーション
5)消費者
+ まとめ
2.オウンドメディアの目的を仮説します。
オウンドメディアの目的の多くは、企業/商品の潜在ニーズ→顕在ニーズにすることにあると考えます。特に、BtoBtoCの業界や商品に於いては、難解な商品、長いルート、認知・理解の低さなどの課題が依然存在して、その閉塞感から脱皮できていません。その証左として、必ずしも今までの施策で成果が決して出ているとは言えないのではないでしょうか?
広告や販促が単発でバラバラ・・・何を目的に、どういったストーリーで攻めるか、あまり考えられていないように感じます。オウンドメディアは施策やツールなどとの親和性(相乗効果を出せる)があり、新しい可能性を持つメディアです。
その目的は、大きく3つあります。
1.企業・商品の潜在ニーズの掘り起し
2.企業・商品のロイヤリティの育成(=ブランディング)
3.企業・商品の指名
↓
そして、業界の問題点を解決し進むべき将来像を描いて社会的な存在となる「ソートリーダーシップ」 を目指す。
①5年、10年を見据えたあるべき姿を求める
②お客さま需要の創造③業界の健全な発展
↓
お客さまから真っ先に声をいただく企業や商品を目指す!
3.コンセプトを仮説します。
ネクストでは、コンセプトを決めています。これから作ろうとする、オウンドメディアは、要するになんなのか、の要素をまとめたもので、社内説明用にも使えます。
具体的には、5W1Hです。
What(何をしたいのか)
Why(なぜする必要があるのか)
Who(誰を狙うのか)
When(どんな時にアクセスしてもらうのか)
Where(どんな場所でアクセスしてもらうのか)
How(どういった動線でアクセスさせるのか)
4.ターゲットを仮説します。
ネクストでは、ターゲットを設定します。
コンセプトで考えた5W1Hに基づいて、「じゃ、どんな人をターゲットにするの?」を考えます。
社内資料のほか、社内や購入者への取材など含めて、グループワークも行いながら、ターゲット像を仮設します。
5.ペルソナを仮説します。
次に、従来の見込み客をグループ化(セグメンテーション=市場の細分化)し、ターゲティングしたあと、さらに、ある特定の人物像、ペルソナを仮設します。ペルソナ像を設定して抱えている困りごとや抱えている処理ごと、希望、夢などを明文化することで企画担当者間で課題が共有でき、以降のステップに進みやすくなる意味があります。
ペルソナの仮説には以下の内容を盛り込みます。
1)どれだけ認知されているか
2)どういったキッカケから情報を得るのか
3)認知後に、どういった点で興味関心~理解~比較・検討・指名に動くのか
4)競合との比較では、どんな点で、なにを比較したのか
5)検討して指名に至った決め手は何だったのか
6.カスタマージャーニ―マップを検討します。
よき経済成長時の企業・商品目線訴求では”Web・スマホ活用で賢くなった”ユーザーの心理・態度変容が難しくなりました。いわゆる広告の下心は見透かされているわけです・・・
ユーザーをコントロールするのではなく、ユーザーの心理を読み込んだ上で、どう刷り込ませるかが勝負になって来ています。企業側や制作側がいいと思っていても読者に支持されなければだめです。
ユーザー目線で認知から指名購入までのストーリを描き、そこでどんなタッチポイントがあり、
どんなコンテンツがいいのか、を考えます。